第4話

「どうしたのぉ?」


「いや、ここだけ普通のノートが置いてあるなって」


厚手の本ばかりが置いてあったのに、

一部の本棚には何かをまとめたようなノートが置いてあった

学校で使うようなノートだ


「気になるなら見ればいいんじゃないか」


律人さんが向かいの棚を調べながら言った


確かに気になるな、少し中身見て見るか


「ボクも気になるなぁ、一緒に見よぉ」


「ああ、いいぞ、

 タイトルは、『事件記録』シンプルだな、中は、、、」


中はスプラックブックだった、

新聞のある殺人事件の記事を切りとり、貼ってあった


女性が自宅に侵入した男にめった刺しにして殺されたそうだ

しかも、発覚の仕方が、

それを見てしまった息子さんが通報して発覚した事件らしい

日付を見る限り10年も前の事件だ


犯人と思われる人物の写真も貼ってある

この顔、どこかで、、、


そして、最後のページに、

『わたしは絶対許さない』と、殴り書きされている


だいぶ悲惨な事件だが、なにか関係があるのだろうか


「これって、、、」


「晴、どうした?顔色が悪いぞ」


晴が反応を示した、明らかに顔色を悪くして、口調も外れるくらい動揺している


「何でもないよぉ、あ、そうだ、なんか雑談しようよぉ」


「急だな、付き合うが」


慌てて口調を直し、笑って見せた晴、だが、顔色は戻っていない

雑談で気がまぎれるなら付き合おう


「たとえば、何を話したいんだ?」


「、、、、、、、、家族の事、、、とかかなぁ」


晴は、辛そうな顔で言った

無理するなら話題にしなければいいのに


「うちは片親だったな、母さんが女手一つで育ててくれて、

 少し過保護だけど、自慢の母親だ」


「聞いてもいいのか分からないけど、片親の理由って、、、?」


口調がやっぱり変わってる、ちょっと、変な感じだな

真面目な話だから、これの方がいいのかもしれないけど


「重い話になるが、私が2歳の時に離婚したらしい」


そして、最近聞いたが、父の性格が原因だったらしい

別に言う必要も感じないから黙っておく


「、、、、そっか、、、、

 うちもさぁ、片親になったんだぁ、ボクが7歳の時にねぇ

 ボクの方は父さんだったけどさ、優しいけど厳しい、

 大好きな父さんだよぉ」


まだ辛そうだけど、口調は戻ったな

顔色もよくなってるし、もう大丈夫だろうか

そして、片親に、深くは聞かない方がいいだろう


「少し、気分良くなったか、、?」


「うん、ありがとうねぇ」


晴は、笑顔でそう言った、ただ、

引きつり笑いのようだった


「そろそろ、次の部屋行くか」


「そうだねぇ、律人くん、そろそろ次の場所行くってぇ」


「聞こえているからわかってる」


あれ?何か聞こえるな、バタバタ何か争ってるような

声だって、本当に小さな声量で、聞こえてくる


「や__ろ、そ_をむ__な」


「あ_た_わる_の、さ__なら」


何も聞こえなくなった、なんだったんだ


「涼香ちゃん、さっきの聞こえた?」


「ああ、晴も聞こえたのか?」


「律人くんは?」


「何か聞こえたのか?俺には聞こえなかったが」


やっぱり、気になるな


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