KACの思い出2022

 さて、ひと月間の祭典、KACが終わりました。私は今回、初めて全お題参加しました。

 実は私、カクヨムには2016年に登録したのですが、一昨年ぐらいまではイベントにもコンテストにもほぼ参加していませんでした。ただただ作品を投稿するだけでした。

 昨年初めてKACに二作参加したのですが、何となくお題が目についたので、といった感じでした。それがなぜか今年は、「全作品参加しよう」と決意したのでした。

 とりあえずの感想ですが……4000字って一番難しくない?

 というわけで、少し振り返ってみます。



「夢見る四刀流」 お題:二刀流


 なんか書いてみるかー、とこの時は気軽な感じでした。二刀流のキャラは結構いるので、最初思いついたのは「500刀流千手観音」でした。ただ、千手観音に戦わせるのは……ということで、「四本腕で二刀流のケンタウロス」というへんてこなものになりました。書いた後に気づいたんですが、「これ、サムソンティーチャー(by『キン肉マン』)じゃ?」

 ちなみに気持ちの軽さが反映されたのか、今のところ星が一番少ないです。



「Ⅲ型ちゃんの眼球になりたい」 お題:推し活


 なんとびっくり、私の代表作になりました。私元々、ロボットっぽいロボットが好きなんです。KOS-MOSとかドロッセルお嬢様とかですね。実在したら「推す」と思ったんですよ。でもやっぱり、どこかで寂しさも感じると思うんですよね。

 そしてですね、ここで「五感」をテーマにしたことがまさか次につながるとは……



「誰がアダムに第六感を与えたのか?」 お題:第六感


 意外とすんなりプロットが決まったんですよ。「第六感があったら最も影響を与えるのは誰か」を考えたら、アダムでした。聖書を読みながら小説を書いたのは初めてです。

 ちなみにタイトルはアガサ・クリスティーの『なぜエヴァンズに頼まなかったのか?』を意識しました。



「幽霊はきっとスターになれる」 お題:コント・コメディ


 難しかったです。普段からふざけたものは書いていますが、コント・コメディを真正面から描くとなると大変です。そこで思いついたのが、落語「お菊の皿」でした。お菊さん、悲しくも面白いキャラなんですよね。現代ならばどうなるか? を考えてみました。

 これも意外と好評でほっとしました。泣かせる話は苦手なんですが、この作品が上手くいったことで方針が少しぶれます(笑)



「グラツーニャの樹」 お題:88歳


 お題が難しいと話題でしたが、私は「88歳が今よりも貴重な世界」にしようと思いました。で、「ごりごりのファンタジー書きたい!」という禁断症状があったので、それを解放しました。結果、圧倒的にPVが少ないです。

 作品としてはよくできてると思います。ただ、ここから物語が始まるという感じでもあり。



「部屋で焼き鳥のせせり」 お題:焼き鳥


 iPhoneに「部屋と焼き鳥とせせり」というメモが残っています。名曲のもじりから作った作品ですね。ストレートに焼き鳥が重要アイテムになるようにと考えたら、「焼き鳥しか食べられない病気」という謎の設定が生まれました。でも、それが私らしい「奇妙なはずなのに理屈を通してくる」作品になったようです。

 若い人にはタイトルが伝わってないだろうことが残念ですが……



「全身タイガーと中白ドラゴンはセントラル・リードを目指す」 お題:出会いと別れ


 疲れていたんでしょうね。お題を聞いて思い浮かべたのが「KKコンビ」でした。そこから野球を元ネタにファンタジーを描くという暴挙に出ました。

 見事にPVが少ないです。あと、詰め込みすぎてあらすじのようになってしまったのは反省です。いつか長編にして成仏させてやりたいです。



「妖怪里芋転がしをヒーローに育て上げたい女の子」 お題:私だけのヒーロー


 いい加減定期的に短編を書くのがきつくなってきたので、前作を書いたあとに「次のお題がヒーローだったらこういう話にしよう」とある程度あらすじを考えていました。別のお題でも応用が利くだろうという目算で。そしたらストレートにそのお題が来たのでおったまげました。

 中身も自分らしくひねってできたと思うのですが、いまいち受けてないので悲しいです。



「君が好きなのは猫だから」 お題:猫の手を借りた結果


 猫がつなぐ恋愛の話はいくつも出そうと思ったので、「その後の焦燥」を結果として書こうと思いました。ちなみにモデルとなったのはD-roomのCMの夫婦です。

 技術的な話なんですが、「パパ」を主人公にしたとき、娘も妻も彼をパパと呼ぶとややこしくなる、ということを知りました。現代ドラマをあまり書いてこなかったからこそ気づかなかったことですね。



「真夜中の段田蜜子」 お題:真夜中


 真夜中について考えていたら、壇蜜さんが思い浮かんできました。たぶん、タモリ倶楽部のせい(笑) フェリー通学の話をいつか書きたかったというのもあって、フェリーが欠航して帰れなくなった真夜中の学校の話になりました。

 特に何も起こらないまま終わっていく話が好きなのですが、評価の分かれるところだと思います。



「王子の交換日記」 お題:日記


 最後の一作のタイトルはシンプルにしようと決めていました。お題を知ってからは結構すぐにネタを思いつきました。かぶる可能性が高いものですが、まあ、かぶっても仕方ねえ、という感じです。

 こだわりは、日記だけで完結させたところ。心残りは、思ったよりも「交換日記」をタイトルに入れていた人が多かったので、少しはひねるべきだったかなあ、というところ。



 とまあ、なんとか11作品書き終えました。元々お題で何かを書くのは好きなのですが、それにしてもこのペースは疲れました。あと、普段より圧倒的に読んでもらえているというお祭り感はあるのですが、自分とは二桁ぐらい違うPV数を言っている人がいて「どゆこと?!」と混乱したりもしました(笑) それなりにいい話がいくつも書けたと思うので、今後も少しずつ読んでもらえればと思います。

 今回は修行の意味で「将棋小説を書かない」と決めていたのですが、来年は将棋小説縛りなどもいいかもしれません。連作にするかは……まあ、その時のノリで。とりあえず、共に走り抜けた皆様お疲れさまでした。読んでくれた皆様ありがとうございます。これからも小説を楽しんでいきましょう。

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