2の第4話
何を彼に買うか考えたり、まじめに数学を解いたりしていたら2時間くらいたっていた。
そろそろほかの塾生も来るはずだからそろそろ帰ろうかと思い、すぐ出られる状態まで用意を進め彼に声をかけた。
「あの、外のコンビニ行きませんか?」
「えっ?あっ、はい!行きます」
彼が好きな子にでも声をかけられたかのように反応するから少し笑ってしまった。
多分、二人で出るところを塾長に見られたらなんか言われる気がするので先に行っていようと思い、彼に声をかけた。
「先行ってますね」
時間差があればあるほどいいと思い、足早に塾の部屋を出る。
「あ、おつかれー、今日なにやってたの?」
めんどくさいのに捕まったと思いながら塾長の質問に笑顔を崩さぬように答える
「嫌いな、数学ですよ。よく頑張りました自分」
「そっかー、じゃあ明日は好きな教科やってリフレッシュしよーう!」
「そうですね、今日は疲れたのでもう帰りますね」
普段友達がいない自分と友達のように話してくれる塾長にはいつも感謝しているが今日はちょっと勘弁してほしい。
自然に会話を切り上げて逃げるように塾から出た。
ちょうど青が終わるところだったし別に走る必要はないから点滅している信号で何気なく彼を待つ。
彼が自分を見つけたら声をかけてくれるだろうと思い何にも気にせず信号を待っていたら青になったので歩き始めた。
そうしたら後ろの方からぴょこっというSEでもつくかのような現れ方をしたので可愛いなと思いすぐ目をそらしてしまった。
今さっきの事を謝るべきか、お菓子と一緒に謝るべきか悩んでいたら、コンビニについてしまった。まぁ歩いて5分の距離だしお菓子と一緒に謝ろうと思いお菓子うり場の方に直行する。
自分が好きで万人受けするだろうと思っていたお菓子がない、ていうか買おうと思っていたお菓子がほぼない。
えっ、自分が好きなお菓子がコンビニに売っていないことに軽いショックを受けつつも彼に買うお菓子を考えていた。
ふと彼のほうを見るともう会計を済ませ自分を待っているではないか。
やばいやばいと思いながら急いでレジに行き会計をすます。
「袋ご入用ですか?」
「だい、いります」
いつもの癖で袋を断ろうとする寸前で彼に渡すものだと思い出しいると言えた自分をほめたい。
そんなことを思っている場合じゃないが急いで外に出て、袋を差し出しながら彼に言う。
「これ」
これって何よ。もっといい言い方あるでしょうよ。と心で突っ込んだのはいつものことで補足説明を彼にしなくては、急にコンビニに誘ってお菓子を押し付けるやばい人みたいになってしまう。
「さっきの事、ちょっと冷たかったかなって。それと、今日テスト終わったばっかなのに塾来てえらいなって思って、僕はもう帰るから頑張ってね」
そういい半ば強引にお菓子を押し付け塾と反対方向の駅に向かう。
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