2の第3話
彼のことに気が付きいつ話しかけようかと考えたり、
そんなことを全然忘れて君のことを考えたりするうちに割と時がたっていた。
約3か月くらいかな、
まぁ、ぼーっと生きている自分はそんな時間がたった気がしていないんだけど
そんな感じでいつもと変わらず早い時間から塾に行き黙々と勉強していた。
学校に行っていない私だけど割と頭はいい方だと勝手に思っている。
もちろん、学校に行っていないから決められた時期にあるテストとか半強制的に受けさせられる模試とか周りの人と比べる機会なんてこれっぽっちもないけど自分がそう思っていたら勉強もはかどる気がするから勘違いを続けていようと思う。
今日は数学をやるぞといきこんだ時、ドアが開いた。
自分が今いる場所は塾だからほかの人がいるなんて当たり前のことだが、
受付に座っている塾長やお姉さんはこの時間帯に入ってくることはほぼない。
どっかの機械の調子でも悪いのかなと思い気にしないでいた。
「好きな季節はいつですか?」
唐突に投げつけられた質問は君を思い出さざるおえなくて、
反射的に嫌いな季節を答えてしまった。
「僕は春が嫌いです」
だって、君がいなくなった季節だから
自分を置いていなくなったんだから
次に君に会う季節は春と決めている。
春を嫌いじゃなくなるのはその方法しかないと思っているから。
答えた瞬間君のことを考え始めたせいで誰が質問してきたなんて気にする暇がなかった。
少し落ち着いてから隣を見ると彼がいた。
こんな偶然があるもんなんだね。
ていうかすごく感じ悪くなってる気がする。
気がするじゃなくて確実だなこりゃ
彼と話がしたいのは自分も同じだ
もう一度だけチャンスをくれ
今度はミスをしないから
いや、自分から話しかければいいんじゃないか?
帰るとき話しかけるか、コンビニでも寄ってお詫びとしてお菓子を渡そう
自分がいつも帰るまであと2時間くらい
それまでに何のお菓子を買うか決めておこう
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