2の第2話

彼、


いや、吉田隼人が抱えている事に気が付いたのは単なる偶然だった。


多分、吉田隼人は徹底的に隠していた。


だが、それを知った同級生は隠していたことを知らず冗談だと思った。

だから、みんなと共有した。

その同級生は悪気はなかった、なんなら吉田隼人が一人でいることを機にかけて仲良くなるきっかけを探していた。


悪気のないことが一番最悪だと、君も言っていた気がするが自分もそうだと思う。


結果論だけでの話になってしまうが吉田隼人はその同級生のせいで余計一人を決め込んだ。


らしい


もちろん学校に行っていない私が吉田隼人のことを知るのは不可能に近いが月に1回あるだるい面談のおかげでそのことを知った。


うわさのうわさ程度だったため、信憑性はないに近いが8割ぐらい事実だろう。


先輩のふりをして、そこら辺にいたか弱そうな女子に詰め寄り聞いたから。



なんで、そこまでしたのかは自分もわからない


ただ、学校で見た吉田隼人が塾に来たときはとても驚いた


頼りなさそうに見えた背中がいつか潰れて自分と同じ道をたどるんじゃないかと不安でたまらなかった。


自分には頼りなく細いけど支えがあった


だから潰れ切らずギリギリだけど踏ん張れている


けど、全員に支えがあるとは限らないのも知っている


だから、君のまねごとをしてみた



まだ自分は死なない、死ねない



君の無事を確認してからじゃないと


そうしないと化けてうろついてお化けが嫌いな君に嫌われる気がするから



いつかはきっと


おんなじ道をたどると思うから



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