2の第1話

学年が上がりクラス替えが発表された教室に私はいるはずだった


1年生の時は自ら周りと壁を作り距離を取っていた


もし、あの時友達が一人でもいたら

と、今になって後悔する。


最後にあの人が言った言葉が忘れられずにいる自分を見て君はどう思うのだろう

きっと心配そうな顔をしながら「大丈夫だよ」と優しい声と優しい表情を使って言ってくれるのだろう


そんなことを考えても今は会うことはできない


将来、お金がたまったら毎年誕生日にくる手紙を頼りに君に会いに行こうと思うんだ。


そんな将来は自分にあるのかは定かではないんだけどね


将来の幸せを考えている時間を本来なら今の現状を抜け出せる方法を考える時間にあてた方がいいんだろうけど


嫌なことから逃げてしまう自分はやっぱり君のことを考えてしまう


そんなことを繰り返していたら学校に行けなくなって、

でも漠然とある未来が不安で勉強だけは頑張らなきゃなって思って塾に通うことにした。


でも自分のことを知っている人と会うのが怖いから早めの時間に行きみんなが来る前には帰る。


家で勉強するより当たり前だけどはかどるな。

そんなことを思いながら通っていたら「彼」にあったんだ


自分と似ているようでちゃんと目の前のことから逃げずに堪えている彼


本人はすごいことだと思ってないと思うけど自分からしたら尊敬に値するぐらいすごいことだなと思った。


1度だけ、1度でいいから彼と話をしてみたい


他愛のない話でいい


それだけで勇気をもらえるような気がするから





自分こと中村さくらはこんなことを思いながら吉田隼人の存在を意識していた。


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