第706話 わちゃわちゃダンジョン

 親父とグミとチェリンの三人は、もうずっと仕事を休んでガチャを満喫し尽くしたので、もうそろそろ仕事の方に力を入れるそうだ。


 というわけで、次のメンバーはミスフィート軍の身分上位者から10人くらいずつ連れて行くことに決定。


 そのメンバーは、ミスフィート、カーラ、カトレア、リタ、リナ、お嬢、ルーシー、ナターシャ、和泉、の9名様だ。


 ルーシーと同格の身分上位者は他にもいるのだけど、この城にいなかったりタイミングが合わなかったりした人は後回しということになった。


 ミケネコ城主 ユリ

 トラネコ城主 フィオリーナ

 シロネコ城主 セーラ

 レイリア城主 フローラ&ミリー

 ゴーレム修行 ルル

 美濃国主   ドワンゴ

 市中見回りで手が離せない アイヴィー ソフィア


 ルル、アイヴィー、ソフィアは近いうちに行けるとおもうけど、城主達は俺が転移で迎えに行くまでもう少し待っていてくれ!ドワンゴさんは当分無理だろう。


 あとピピン隊は、ルシオとラブラブし足りないとかで今回はスルーだそうだ。


 ・・・ルシオ生きてんのかなあ?



「うおっ!なんかメンバーがガラッと変わってんな!」

「虎徹さん、メンバーが増えちゃってすみません。この人数でも大丈夫ですか?」

「全然問題ないぞ!」

「じゃあよろしくお願いします!」


「「よろしくお願いしまーーーーーす!!」」



 シュッ


 全員で手を繋ぎ、アリアダンジョンへとやって来た。



「って部屋だし!」

「部屋ですね」

「思ってたのと全然違いましたわ!!」

「なんかベッドとかソファーとか噴水とか色々あって、ワケ分からんっスね~」


 初めて来た人達はダンジョンに行くとしか聞いていなかったので、スタート地点が虎徹さんの部屋だとは予想外だったみたいだ。


「説明なんかは全部小烏丸に任せたぞ。オレは人見知りなんでこの人数は無理だ。ちゃっちゃと狩りに行くぜ。氷結!」


 タタタタタタタタッ


 虎徹さんはサクッと宇宙刑事サイダーに変身し、通路へ走って行ってしまった。

 たぶん人数が多いから面倒臭くなったんだと思う。


 どうでもいいけど、あの人が人見知りなんてするわけないだろ!



「なに今の!?コテツくんが謎生物になって走ってった!!」

「アレは最近手に入れたばかりの『宇宙刑事サイダー』の衣装だ。あの服を手に入れる為、虎徹さんはガチャに魔石10000個ぶっ込んでる」


「「魔石10000個!?」」


「三河の城から魔石を根こそぎパクって全てガチャにぶっ込んだから、軍の皆に袋叩きにされて顔がボコボコになってたな。使っちゃいけない魔石に手を出してからが本当のギャンブルだそうだ」


「「アーーーーーーーーーーッハッハッハッハッハッハッハッハ!!」」


「しかし魔石10000個とは凄いな。デラックスガチャを1000連したのか?」

「正解です。1日500連勝負を2回やったのですが、ガチャ部屋がアイテムで埋まってたので急遽コテツ商店がオープンし、チェリン達と一緒に使えそうな家具や雑貨をたっぷり買っておきました!」

「え?小烏丸、家具いっぱい持ってるの?」

「軍の皆に売ってあげようと思ってさ。まあとりあえず皆にはガチャを楽しんでもらおうと思ってるけど、アレって狙ったアイテムが出せるわけじゃないからな~。あとで好きな家具を魔石10個で売ってやるぞ!」

「選んで買えるなんて最高じゃない!絶対買うよ!」


 和泉はガチャ経験者なので、欲しい物を全て手に入れる難しさがよくわかっているのだ。ギャンブルだけじゃなく、堅実な買い物をした方が良かったりするしな。



「まず、ここでのルールと注意事項の説明をしておきます」



 ミスフィートさんや和泉は前に来た時に聞いているけど、もう忘れてるかもしれないのでおさらいしてもらった。


 そしてこの説明を聞くと気になってしまうのがゴブリンだ。

 なんせ玉座にゴブ夫くんが居座ってるし、本物が見たいに決まっている。



「ゴブリンってそんなにヤバイの?」

「カーラの実力なら全て倒せるかもしれないけど、今は一発でも攻撃をもらうわけにはいかないだろ?」

「あーーーーーそっか!無茶して流産したら馬鹿みたいよね」

「私は闘うぞ!」

「いくらミスフィートさんでも、あまり無茶をするのは・・・」

「大丈夫だ。4階層までのゴブリンなら一発ももらわん!」

「じゃあ4階層までですよ?」

「よし!皆にゴブリンを見せてやろう。私について来るのだ!」



 どうやら今回は、ミスフィートさんがゴブリン案内人をやってくれるらしい。

 初心者をビビらせるのは、俺の楽しみの一つだったんだけどな~。


 今日は10人でゴブさん通路に入って行った。



「いたぞ!皆こっそり見てみるのだ」



 前に俺がやったように、こっそりゴブリンからいくようだ。



「「・・・・・・・・・・・・・・・・・」」



「久しぶりだなゴブ夫!遊びに来たぞ!!」


『グギャアアアアアアアアア!!!』


「ちょ、こっち来たっスーーーーー!!」



 ザンッ


 もちろんゴブさんは、ミスフィートさんに一刀両断された。



「この様に、ゴブリンはかなり危険なのだ!」



 このイベントの時、俺っていつもあんな顔してたのか・・・。

 次からはドヤ顔成分控え目にしよう。



「そういえばミスフィートさんって、最初来た時も平然と闘ってましたね」

「いやいやいや、普通に怖かったんだけど!!」

「玉座の間にいるゴブ夫とそっくりでした!」

「闘えないことはないと思いますけど、アレは怖いですわね~」

「聖帝軍の武将とやり合った時くらい緊張した」

「アレは危険!」



 カーラ達でも、やっぱりゴブリン相手だと普通に恐怖心を感じるみたいだ。

 恒例の儀式も終了したし、これで狩りに行く準備は整ったかな?

 

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