第663話 親父・グミ・チェリンvsガチャ
今日は親父達と一緒にガチャを楽しみたいと思ったので、5階層のアークシャドウゴブリンまで倒した所でそれ以上進むのをやめ、4階層で魔石と海鮮物を乱獲しまくった。まるで手応えが無いから飽きるんだけどね。
理由はもちろん、城の皆にもご馳走してあげたいと思ったからだ。
本当はドラゴンも初日に狩った方がお得ではあるんだけど、明日にでもドラゴンがいる4階層を攻めることになるかもしれないので、折角だから親父に狩らせてあげようと思って我慢した。
―――――かなり頑張ってしまったので、部屋に戻ると午後4時になっていた。
城のお土産はともかく魔石は腐るほど持ってるんだけどさ、ちょっと頑張ればタダでガチャを回せるってのが勿体ない精神を呼び起こしてしまいますね・・・。
まあゴーレムの件もあるし、俺の行動も間違ってはいないと思う。
また甲斐にいっぱい魔石を売って、ボロ儲けする事も可能なわけだしな。
いや待てよ?線路が開通したら、越後や陸奥もゴーレムに興味を持つんじゃないだろうか?この先魔石を必要とする国がどんどん増えていくかもしれん。
まあガルザリアスは佐渡ヶ島で魔石を集め放題だから、むしろ魔石で儲ける国になるか。そして陸奥はまだ発展途上国もいいとこだから、むしろ最安値で魔石を流してあげたいくらいだ。・・・うん、あっち方面は商売にならんな。
一人でアレコレ考えていると、チェリンとグミが一緒に帰ってきた。
「あ、小烏丸!いっぱい魔石を集めてきたわよ!」
「私も頑張ったよ!!」
「お疲れさん!その様子だと怪我はしていないようだな。あとは親父だけか」
「洗面台を出してもらっていいかしら?聖水に触りたくないのよね~」
「お風呂も出してーーーーー!」
「あ~、そうだよな。女神の泉んとこに排水溝があるから、両方ともあっちに設置するぞ。風呂に入る時は親父をガチャ部屋に行かせるといい」
「はいは~い」
女神の泉の隣に風呂と洗面台を出した。
早速チェリンとグミが手を洗い、ついでに顔も洗っている。
「お?全員揃ってたか!」
親父が帰還した。
「チェリンとグミは聖水が使えないから、そこに風呂と洗面台を置いた。彼女達が風呂に入る時は、ガチャ部屋に避難してくれ」
「了解した。でも俺は聖水風呂に興味があるぞ!」
「入ってみるといいさ!少し冷たいけど最強の水だからメッチャ気持ちいいぞ!」
親父も洗面台で手を洗おうとしたが、ふと女神の泉の異変に気が付いた。
「オイ!なんで女神の泉の中に海産物が入ってやがる!?」
「ああ、聖水で浄化すると海産物が更に美味くなるんだ」
「マジかよ!!」
たぶん?虎徹さんもそう言ってたし。
「さーて、やっと噂のガチャが出来るわね!」
「話を聞いてるだけじゃ、どんなモノなのかさっぱり想像もつかないよね」
「服が出て来るくらいだから大きいモノだとは思うけど・・・」
「ん~~~、たぶん二人が思ってるような感じじゃないと思うぞ?ガチャを回すと手の平サイズの丸い玉が出て来るんだけど、まあ実物を見ながら説明しよう」
親父もようやく準備が整ったようだ。
「よし、ガチャ部屋に移動するぞ!通路に入って行くと大広場に出るんだけど、ボスが湧いてるとも思えないから魔物は出て来ないハズだ」
「ボスだと?いやいやいやいや!この部屋おかしくねえか?すぐ向こうにはゴブリンがいるし、ボスまでもがお隣さんなのかよ!」
「正直、俺もこの部屋は色々おかしいと思ってる。まあ部屋の住人が強ければすげー便利なんだけどな」
大広場へと続く通路を抜けるが、やはり1階層のボスであるドラゴンは湧いていなかった。予想通りではあったけど残念!
大広場を抜け、奥の部屋へと入る。
「2階層へ進む階段ってこんな所にあったのか!」
「大広場のボスを倒すと2階層へ進む為の階段がある部屋に出られるんだから、セオリー通りではあるぞ。虎徹さんが女神の泉がある場所を勝手に部屋にしちゃったから、おかしなことになってるだけなんだ」
「なるほど!女神の泉は、ボスと戦う為のサービス的なヤツだったわけだ。まさか部屋にされてしまうとは、ダンジョンの製作者も涙目だな・・・」
確かにそう考えると、神さまに怒られても不思議じゃない案件だよな。
でも外に出ると猛吹雪で余裕で死ねるらしいから、逆に言うと外から入って来るのも無理な魔境ダンジョンなわけで、『もう勝手にしろ!』状態で許されてるのかも。
「ねえねえ!向こうに何か変なモノが見えるよ!」
「もしかして、アレがガチャなの!?」
「正解!」
ガチャ部屋に入った。
「うおおおお!マジでガチャじゃねえか!」
「あはははははは!なにこれ面白い!!」
「上に色々書いてあるわね。ガチャの説明とか?」
「実際にやってみるまで書いてある意味がさっぱり理解出来ないと思うけど、何回かやれば意味が分かって楽しくなってくるぞ!」
【魔石ガチャ】
レジェンドガチャ=魔石(大)専用ガチャ
デラックスガチャ=魔石(中)1個、もしくは魔石(小)10個
ノーマルガチャ =魔石(小)1個
【各種属性ガチャ】
火=火の魔石(中)1個、もしくは火の魔石(小)10個
水=水の魔石(中)1個、もしくは水の魔石(小)10個
風=風の魔石(中)1個、もしくは風の魔石(小)10個
土=土の魔石(中)1個、もしくは土の魔石(小)10個
闇=闇の魔石(中)1個、もしくは闇の魔石(小)10個
【カプセルの色によりレア度が変化】
青<緑<赤<銀<金<虹
【レベル制限あり】
必要レベル:40
制作者:女神シャルロット
「あっ!親父、レベルはいくつだ!?」
「ん?えーと・・・、ちょうど40だな」
「マジか!かなり魔物を狩りまくっただろ!」
「どうなんだ?京の都ダンジョンでも結構魔物を狩っていたせいじゃないか?」
「あーそっか。和泉と違ってレベル1からスタートじゃないもんな」
「じゃあ全員参加出来るね!」
チェリンが説明書を理解しようと頭を悩ませている。
「えーと・・・私達が集めまくった魔石なんだけど、10個で服が出るガチャが回せるとか言ってたわよね?ってことは、あの大きさで魔石(小)なの??」
あ、それも説明しなきゃな!
「そうそう!アリアダンジョンでは魔石の基準値もワンランク上がるんだよ。向こうで言う所の魔石(中)が、ここでは魔石(小)扱いとなる」
「ややこしいな!」
「ん~、とにかく10個って覚えておけばいいだけだよね?」
「だな。服が欲しいならデラックスガチャ一択だ!」
「属性ガチャもいっぱいあるが、それじゃあダメなのか?」
「1回くらい試してみるのも面白いけど、属性ガチャからは基本的に剣とか鎧とかアクセサリーが出るんだよね。火属性ガチャなら火の耐性付きって感じだ」
「鎧なんか着たら重くて動けなくなるだろ。それに火の耐性ならお前が付与した方が高性能だったりしないか?」
「大正解だ!だから属性ガチャはオススメしない。一応服が出る可能性もあるとは思うけど、だったらデラックスガチャを回した方がいい。デラックスガチャから赤いカプセルが出たら服が確定なんだ」
それを聞いたチェリンとグミがこっちを見た。
「カプセルの色によりレア度が変化ってヤツね!?」
「赤が大当たりだ!!」
「なるほど!メチャクチャ面白そうじゃねえか!」
イイ感じに盛り上がって来たぞ!そろそろ始めるとしますか!
あとはガチャをやりながら補足していこう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます