第629話 日本人集合ーーーーー!
新たなる日本人の登場ってだけじゃなく、その人物が俺の親父だと知った三河の二人は驚愕した。
異世界行きのマンホールの罠に嵌る可能性は誰にでもあったのに、ピンポイントで俺の身内が引っ掛かったのだから、本当にとんでもない奇跡だもんな。
尾張に帰って来て間もなく、雑貨屋の店主になっていた親父を発見し、京の都まで一緒に機関車に乗って来たことなんかを話した。
そして次に、清光さんと虎徹さんがこの世界に来た経緯を話し、三河の国を支配して尾張と同盟を締結したことなんかをザっと説明してもらった。
「じゃあもしかすると、他にも誰かが落ちてきている可能性もあるわけか・・・」
「かもしれん」
「今の尾張や三河なら安全だけど、もし他の国に出現していた場合、発見するのも無理だし簡単に命を落とすと思うぞ?」
「俺と同時期に尾張に出現した人がいたら、たぶんジャバルグ軍のモヒカン共に速攻で殺されていると思う。俺は偶然ミスフィートさんに助けてもらったけど、その後しつこく追い回されてるしな・・・」
「アイツらマジで腐れ外道だったからな!」
「あの世紀末漫画のモヒカンみたいな奴等なんだろ?そんな状態から、よくここまで平和な国を築けたもんだな」
「三河も超平和だぞ!今度、親父さんも小烏丸と一緒に遊びに来るといい!」
「京の都からじゃかなり遠いけどな。なんせ此処は日本の10倍の面積だ」
思い出話で盛り上がってる最中だけど、せっかくだから和泉も参加させよう。
歴女女神様のことも話しておく必要があったし、丁度いいタイミングだ。
スタスタとパーティー会場に向かって行き、幸せそうにピーナッツチョコを食べていた和泉を拉致した。
「え、ちょっと!すごくいい所だったのに!!」
「悪いな!玉座んとこに清光さんと虎徹さんが来てるんだよ。ミスフィートさん達がお菓子に気を取られている隙に、大事な話をしておきたい」
「大事な話って、え?何かあったの!?」
「いや、悪いことじゃないんだけど、この世界の重要な秘密だ」
「うぇええええええええ!?」
そして玉座の前に移動してからもう一度周囲を確認し、この世界の創造主が元日本人だということを説明する。
明らかに日本人が関係しているとしか思えない人形の件があったから話したけど、トップシークレットだから絶対に誰にも話さないよう釘を刺した。
「何柱もの神々を撃破して指名手配中とは、滅茶苦茶だなおい・・・」
「でも孤立してるなんて可哀相だよ!力になってあげたい!」
「気持ちは分かるが次元が違い過ぎる。話し相手くらいならば可能だが、彼女は元オタクだけあって陰キャだ。和泉と話が合うかどうか微妙なとこだな」
「まあ今は落ち着いているらしいし、普通に楽しく暮らしているのだから、変に騒ぎ立てるのは逆効果だろう」
「だな!気にしない方がいいと思うぜ?」
基本的に、陰キャと陽キャは未来永劫分かり合えないのだ。
不思議と天真爛漫なニャルルが気に入ってるみたいだけどね。
「小烏丸!練乳も出してくれないか?」
おっと!ミスフィートさんが俺達の方に近付いて来た。
この話はここまでだと皆に合図を送った。
「清光殿と虎徹殿がいるではないか!二人とも久しいな!!」
「久しぶり!」
「よう!今日はコテツに強引に連れて来られたんだわ。しかもさっき騙されて向こうの部屋に連れて行かれて酷い目に遭ったぞ!」
「わはははははははははは!しかし一番面白い時に来たもんだな!」
「このタイミングで突然遊びに来るなんて俺も予想外でした!それでですね、聖水がほぼ空っぽなのでダンジョン交渉をしていた所です!」
「アリアダンジョンだな?久しぶりにあのゴブリン達と戦いたいぞ!」
いやいやいやいや!
妊娠するかどうかって時なんだから、無茶していい身体じゃないでしょうに!
「えーと・・・まだ交渉の途中ですが、とりあえず決まった所まで説明しますね」
「うむ!」
三河が出すのは『アリアダンジョン』。
尾張が出すのは『京の都ダンジョン』ではなく『堺ダンジョン』。
ダンジョン使い放題の権利を交換するのが今回のダンジョン交渉であり、俺達の寿命が尽きるか、虎徹さんに何かあって、アリアダンジョンに行けなくなるかするまでの長期契約を考えていると説明した。
しかし堺ダンジョンはまだ手付かずの状態なので、まずは三河勢が31階層まで攻略し、大自然フロアで満足のいく野菜と果物を入手出来るかどうかを調べてから、改めてダンジョン交渉をする。
もしアリアダンジョンと釣り合っていなかった場合は、京の都ダンジョンの31階層ツアーとの短期契約になるが、どちらにしても持てるだけの聖水は前払いで貰えることになったと伝えた。
「なるほど!堺ダンジョンが京の都ダンジョンと同等クラスのダンジョンならば、三河からするとそっちの方が自由に使えて便利だものな!」
「そういうことだ。無限の野菜に果物、無限の聖水にガチャ、文句ナシで釣り合ってると言えるだろう」
「だよな!果物が美味過ぎたのが決め手だ!」
「あとは堺ダンジョンに大自然フロアがあることを祈るのみですね」
俺は猫ちゃんの慈悲深さに賭けるぜ!!
「ならばアリアダンジョンで遊べるのは契約成立後か~」
「あ、そうか!今回は聖水の前払いってだけだから、サッと転移して戻って来るだけでいいのか。それなら寝てなくても全然問題ないやん!」
「んじゃ、チャッチャと行ってくるか?」
「そうですね。ではミスフィートさん、10分で聖水をゲットして戻って来ます!」
「わかった!」
さっきまでガチャする気マンマンだったけど、それはまた次回だな。
特大の魔石をいくつか持ってるから、レジェンドガチャを回す日が楽しみだ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます