第21話 ガチャ回でござる

 ・・・米、だと!?


 マジか!なんなんだ?このガチャは!

 あー、調味料が出るくらいだから可能性は十分あったのか。

 こんなに嬉しい物が出るなんて、予想すらしてなかったわ。


 もう今すぐにでも食いたい所だが、まだガチャを始めたばかりだ。

 米を炊くのは全てが終わってからにしよう。


 もう一回デラックスやって、その後ノーマル回して、最後に闇ガチャだ。

 

 集中!



 ガチャコン!



「おお?力強い音だ。赤か!なるほど。この音が出ると赤以上ってことか」


 カードに書かれている文字は【服】


 来たッ!赤い流星卒業のチャンス!

 カードがカプセルごと服に変化する。



「・・・・・・可愛らしい服だこと」



 明らかに女物ですな。


 全身真っ黒で、スカートがやけにヒラヒラしているドレス風のワンピース。

 これはゴスロリってヤツだろう。


 俺には着ることが出来ない服だけど、むちゃくちゃモノが良いってことだけは間違いない。

 これもミスフィートさん行きかな?あーでも彼女は可愛い系というより綺麗系の人なので、この服はちょっと微妙かもしれない。


 ウーム・・・、まあどこかで使う場面があるかもしれんしな。


 女物の服だからと言ってガッカリすることはない。なぜかと言うと、これを女性にプレゼントするだけで確実に俺の好感度が上がるからだ。上手く行けば彼女が出来るかもしれん!


 そう考えると、この服は間違いなく大当たりということになる。

 異世界人がこの服を見て、どう感じるかってのが問題ではあるけどね。

 いや、ゴスロリの可憐さはどこであろうとも通用するだろ!


 これも巫女装束と一緒に木箱に入れて、大事にマジックバッグにしまっとこう。


 さーて、ノーマルガチャぶん回しの時間だ!

 いくぞ!



 ガチャコン 青 塩

 ガチャコン 青 醤油

 ガチャコン 赤 歯磨き粉

 ガチャコン 青 塩

 ガチャコン 緑 清酒


 ガチャコン 赤 鉛筆5本

 ガチャコン 赤 パンツ(ブリーフ)

 ガチャコン 赤 ブラジャー

 ガチャコン 青 味噌

 ガチャコン 青 味噌


 ガチャコン 緑 ケチャップ

 ガチャコン 赤 靴下

 ガチャコン 青 塩

 ガチャコン 赤 爪切り

 ガチャコン 青 塩


 ガチャコン 赤 シャンプー

 ガチャコン 青 醤油

 ガチャコン 赤 耳かき



 ノーマルガチャ最高。


 地味に一番嬉しいのはブリーフだったりする。

 ブリーフの方が下半身にフィットするから、トランクスよりも好きなんだよね。


 シャンプーが出てくれたので、俺が勝手に使ってしまったヤツは、今出した新品のと交換しとこう。


 ブラジャーはさすがに木箱行きだろな。赤い流星がブラジャーなんて着けてたら、ファンの皆様に袋叩きにされることだろう。


 さて、ラストの闇ガチャだ。



 ガチャコン!



「おお!?この音って確か赤じゃね?」


 カードに書かれている文字は【アクセサリー】



[闇の腕輪+]

 :精神耐性の付いた腕輪。強い精神攻撃を防げる。 評価A

 :即死耐性◎ 恐怖耐性◎ 混乱耐性◎ 魅了耐性◎ 呪い耐性◎



 うおおおお!またもやビギナーズラック炸裂じゃい!!


 一瞬同じ物が出たかと思ったけど、[闇の腕輪+]になってて耐性が全部◎だ。

 これでもう、闇ガチャを回す必要が無くなってしまいましたな。


 早速腕輪を強い方にチェンジした。

 これを引き当てたのはマジでデカいぞ。後は眠らせて来るって噂の人魚にだけ気をつければいい。


 いや~、俺のビギナーズラックもなかなかのもんじゃないか。

 とにかくガチャが楽しくてしょうがない。

 これだけでも狩りを頑張るぞって気持ちになれる。


 女神シャルロット様、ガチャを作ってくれてありがとー!


(いえいえ)



 ・・・・・



 今、俺の前には炊き立てのご飯がある。


 炊飯器も土鍋も無いから鍋で作ったんだが、まあそれなりに上手く出来たと思う。

 口に入れた瞬間、勝手に涙が溢れ出てきた。


「うめえ・・・」


 赤い流星の目にも涙だ。


 まだ異世界に来て1ヶ月ちょいってくらいなんだけど、もう何年も食べてなかったかのような感動を味わっている。

 やっぱ日本人に米は必要不可欠なんだな・・・。


 感激のあまり、おかず無しでご飯一杯食ってしまった。

 これからはいつでも米が食えるのか・・・。


 しかし10kgしかないので、毎日食うとすぐ無くなってしまう。

 出来るだけ節約しながら食うことにしよう。


 また狩りを頑張って米を手に入れてやるからな!






 ************************************************************






 それから毎日、レベル上げ→鍛冶→付与というルーティンをこなし続けた。


 レベルもだがスキルレベルもモリモリ上がって行き、かなり手応えのある刀を打つことが出来た。


「よおし!この刀にパワーアップした付与魔法をかけてやる!」


 斬撃強化(中)は初挑戦ではない。だが実験の時、付与が成功するまで何日もかかったので、(小)で妥協したくなる気持ちも若干ある。

 付与魔法のレベルが上がることによって、斬撃強化(小)の方なら簡単に付けられるようになったのだ。


 ただね、何日も何日も剣と向き合って、ウンウン唸り続けるってのはマジで地獄なんですわ。

 ・・・けどメインの刀となるのに、辛いからって妥協するのは有り得ないよな。


 意を決して付与を開始した。




[刀]

 :コガラスマル作の刀。魔法が付与されている。評価B

 :斬撃強化(中)

 :衝撃耐性+

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