第14話 ガチャ
そろそろ強くなった自覚があるので、巨大ゴブリンに挑戦しようと思う。
ヤツと対峙した時の恐怖は未だに忘れられない。
今の俺にやれるのだろうか?
少し不安に感じながら、もう一つの通路の方を見る。
スケルトンから始めるって意識が強くて、他の通路のことをまったく気にしてなかったが、この通路だけ何があるのかまだ確認していない。
「行ってみっか」
慎重に進むと大広場に出た。どうやらココには魔物がいないようだ。
なのになんで広場になってるんだろ?
奥に入口を発見したので、中に入ってみることにした。
それほど大きくない部屋だ。奥に下へ降りる階段がある。
もしかしてあの広場にはボスがいたんじゃないか?
どうもこの部屋はボスを倒した後、先に進むための部屋な気がする。
宝箱みたいのもあるし。中は空っぽだが。
ん?なんか見覚えのある物が・・・。
「オイ!なんでダンジョンにガチャがあるんだよ!?」
よく見ると、壁際にガチャが4台並んでいた。
まったく意味が分からない。
ガチャのすぐ上を見ると、説明が書いてあった。
【魔石ガチャ】
レジェンドガチャ=魔石(大)専用ガチャ
デラックスガチャ=魔石(中)1個、もしくは魔石(小)10個
ノーマルガチャ =魔石(小)1個
【各種属性ガチャ】
火=火の魔石(中)1個、もしくは火の魔石(小)10個
水=水の魔石(中)1個、もしくは水の魔石(小)10個
風=風の魔石(中)1個、もしくは風の魔石(小)10個
土=土の魔石(中)1個、もしくは土の魔石(小)10個
闇=闇の魔石(中)1個、もしくは闇の魔石(小)10個
【カプセルの色によりレア度が変化】
青<緑<赤<銀<金<虹
【レベル制限あり】
必要レベル:40
制作者:女神シャルロット
「・・・・・・」
虎徹さんが魔石集めを最重要だと言っていた意味がやっとわかった。
さては俺を驚かせようと内緒にしていたな?
狩りを頑張ってたお陰で、上手い具合にレベルは40を少し超えている。
ガチャを発見したタイミングはベストだったな。
気になるのはレジェンドガチャだが、魔石(大)が必要なのか・・・。
スケルトンとかから出る魔石は、たぶん(小)だと思う。なんせそれより小さな魔石なんて無いから。
魔石(中)ってのは、1階じゃ手に入らないのかもしれないな。もしくは中ボスを倒せば手に入るとかだ。
レジェンドガチャは回せないが、それ以外なら全部、魔石(小)でなんとかなるようだ。
何が出るのかさっぱりわからんけど、回してみるしかあるまい。
狩りを頑張ったお陰で、魔石はかなり溜まっている。
何から行こうか迷うとこだけど、デラックスってのが名前的に興味を惹かれる。
属性ガチャの説明に、火の魔石(小)10個とか書いてあるが、魔石の色が何種類かあるのは属性の色だったみたいだな。
属性ガチャねえ・・・、なんとなく装備品が出るんじゃないかと思う。
俺の恰好は未だに作業服だから、正直防具は欲しい。
しかしその前にデラックスが気になってしょうがない。
魔石は大量にある事だし、やっぱ気になるデラックスから行くしかねえよな?
一応属性ガチャのことを考えて、10個揃えることの出来る紫の魔石などは10個セットで温存し、端数にしかならん魔石から使うことにした。
デラックスガチャの前に移動し、投入口に魔石を一個入れてみる。
うん、反応がねえな。やっぱりこれは魔石(小)の方なのだろう。
続けて9個投入したらレバーが光った。
よおし!一体何が出るのか楽しみだ。
精神を研ぎ澄まし、無心でレバーを回す。
ガチャコン!
「お!?赤だ。えーと赤は・・・、下から3番目か。悪くない」
赤いカプセルを開けると中にカードが入っており、そこには【服】と書かれていた。
カードに服って書かれていても正直意味が分からんのだが・・・。
「おわっ!」
カードがカプセルごとポフッと服に変化した。
「ビックリしたー!カプセルが現物に変化するのかよ。しかしなんだこれ?」
一瞬着物かと思ったけど、上は白で下は赤。
ああ!これって巫女さんの服じゃね?
服の手触りはかなり良い。でもこれ明らかに女物やん。
誰も見てないとはいえ、コレを着るのはあまりにも業が深い。
非常に残念だがこれはマジックバッグ行きだろう。
「あっ!性能はどうなんだ?」
一応鑑定してみる。
[巫女装束]
:謎の化学繊維で作られた服。付与魔法が込められている。評価B
:斬撃耐性 衝撃耐性 火魔法耐性
:自動修復(小)サイズ自動調節
「おおおお!スゲーぞこれ!」
付与魔法だってよ?耐性が付いてるから、普通の服よりも防御力があるってことだ。自動修復とか、サイズ自動調節とか、もうファンタジーなんてもんじゃねえな。
うーむ、女物って所が非常に残念でならない。
これは大事にしまっておいて、ミスフィートさんにあげようか。
・・・イカン。
巫女装束を着たミスフィートさんを想像したら、鼻血が出てきそうになった。
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