第13話 ひたすらレベル上げ

 魔物じゃなくて木かよ!果物とかなってないかな?


 木の下に行き見上げてみるが、どうやら果物は無いようだ。


「見えない所になってたりせんかなあ・・・」


 何か落ちて来るかも?ってことで木をゲシゲシ蹴ってみる。


「ギイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!」

「うおわあああっ!?」


 うお、ビックリしたー!こいつ魔物じゃねえか!トレントとか言うヤツか?



 ドガガガガガガガガ


「いてッ!いってッ!!」


 硬い石がガンガン飛んできた。こりゃたまらんぞ!


 一旦後ろに避難した。



 参ったな・・・、木ってどうやって倒しゃいいんだよ?

 大木に剣を叩きつけたって、剣が木にめり込むだけだろ。


 ん?よく見ると目と口みたいのがある。アレが弱点じゃねえか?

 もし倒せれば貴重な木材をゲット出来る。いっちょやってみっか。


 近付くとまた石が大量に飛んできた。


「いてェって!」


 けどレベルが上がったからか、なんとか耐えられる。


 何発か被弾しながらもじりじりと近づいて行って、口っぽい裂け目に剣を突き刺した。



【レベルが上がりました】



「ふひ~、なんとか倒せたか。あー痛かったぁ」


 しかしこのデカい木ってマジックバッグに入るのだろうか?

 ・・・まあやってみなきゃ始まらんよな。


 リュックを下に置いて、木をその上にゆっくり倒す。

 筋力が上がってるので、こんな巨木をも支えることが出来た。

 もう俺、ほとんど人間やめてるよな。


 巨木を右手一本で持ち左手でリュックを開き、入れーと祈りながらその上に置くと、巨木が見事にスッポリと中に入ってくれた。


 こんなのまで入れることが出来るとは、本当にスゲーな・・・。

 でもなんか入れる時変な感触だった。

 もしかしたらリュックの上に倒さなくても、入れと念じれば良かったのかもしれん。

 まあ次回から試そう。




 一旦部屋に帰って来た。


 部屋の隅に巨木を出して、枝を払っていく。

 生木のままじゃ使えんから、ここに放置して乾燥させなければならん。


 しかし大きな収穫だ。これで色んな物を作ることが出来る。

 そのことを考えるだけで顔がニヤケて来る。


「よーーーし!レベル上げの続きだ」


 意気揚々と、再度狩りに出発した。






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 限界まで狩りまくったぞ。

 奥に行くとクマやら蜘蛛やら色んな魔物がいた。

 だがどれも、今の自分の力で倒せる範囲の魔物だった。


 蜘蛛は気持ち悪いから魔石だけ取って放置してきたが、クマは解体をして泉で浄化中。

 倒した魔物によって魔石の色が全部違ったんだが。なんの意味があるんだろな?


 一番驚いたのは、床で乾かしてた狼の毛皮が、狩りから戻って見てみると銀色になって輝いていたこと。


「聖水パワー、凄まじいなおい!」


 そして理解した。そこに積まれている毛皮はあの狼の毛皮だったんだ。

 似ているとは思ってたけど、聖水で浄化する前とじゃ輝きが雲泥の差なんだもの。


 俺も積極的に狼を狩って、毛皮を量産しようと思う。

 ミスフィートさんにプレゼントしたら間違いなく喜んでもらえる。

 その時が本当に楽しみでならない。



 それから俺は何日も魔物を狩って狩って狩りまくった。






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 数日後、狼の毛皮を見つめながら『この狼の正式名って何て言うんだ?』という疑問を持った。

 思えば鑑定の事をスッカリ忘れてたな。


 なので今日は鑑定を身に付ける為の特訓をすることに決定した。




 ・・・・・




[シルバーウルフの毛皮]


 おおお!?とうとう名称が出たぞ!シルバーウルフって言うのか。

 でも名前しか見えないってのはしょぼくない?


 ステータスを見てみると、鑑定Lv1というスキルが発生していた。

 なるほど、鑑定のレベルを上げれば詳細が見れるに違いない。


 その日はひたすら鑑定しまくったが、詳細を見れる所までは行かなかった。






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[シルバーウルフの毛皮]

 :丁寧に作られていながら、さらに女神の泉で浄化された至宝の一品。評価S


「っしゃあああああああああああああ!!!」


 苦節3日にしてようやく詳細が見られるレベルになったか。

 にしても評価Sだってよ!頑張った甲斐があったってもんだ。


 虎徹さん作の毛皮も鑑定してみると、全部評価Sだった。

 

 ・・・うん。彼らは存在が異次元だからな。



[ショートソード]

 :普通の剣。評価E


[マジックバッグ(大)]

 :生物以外何でも入るバッグ。かなりの物が入れられる。評価A

 :登録者以外は使用不可

 :登録者:コガラスマル・オダ


 やっぱマジックバッグってすげーなあ。(大)って事は、同じマジックバッグの中でも最高級品なんじゃね?


 あー、そういやこのダンジョンに来てから、ステータスに表示される名前が織田小烏丸じゃなくてコガラスマル・オダになったんよ。どうやらアリアにいると外人っぽくされるみたいだ。



 とにかく鑑定が楽しくて、その日はひたすら色んな物を鑑定しまくった。

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