第5話 森でレベル上げ
「グギャーー!」
「シッ!」
ゴブリンを袈裟斬りにする。
【レベルが上がりました】
「よしッ!やっとレベルアップか」
結局森に入ってもゴブリンばっかり出やがる。
レベルアップも大事だが、俺は今食い物が欲しいんだよ!
緑色はもういいから食えそうな魔物来いや!
それにしてもやっぱ刀が欲しいな。剣も嫌いじゃないけど、俺はやっぱ慣れ親しんだ刀で戦いたい。いずれは鍛冶道具揃えて刀を自作する必要があるな。異世界に刀なんて売ってないだろうから。
レベルは今ので4になった。ステータスの上がり方は固定らしく、レベル2の時の倍の数値になっている。
そしてレベルの恩恵は大きく、体の強さが明らかに上昇してるのがわかる。
そりゃあミスフィートさんに手も足も出ないワケだ。
レベル1じゃゴミみたいなもんだったろうな。
でも自分のレベルが上がって、ミスフィートさんの存在ってのが更に遠くなった。彼女は絶対レベル一桁とかではない。今の俺の10倍以上のレベルなんじゃないか?
まだゴブリンしか倒してないワケだけど、少しずつレベルの上がり方が悪くなってきたから、これからは強い魔物を倒していかないとダメだ。このペースじゃいつまで経っても彼女の軍に入ることなど出来やしねえ。
「お?」
木に果物がなってるのを発見!
木登りは得意じゃないけど、果物を手に入れる為に根性で木に登る。
身体能力が上がっているので、無事に果物を手に入れることが出来た。
「食えるよな?・・・もし毒とか入っていたらゲームオーバーだぞ」
なんせ異世界の果物だ。何事も慎重に行く必要がある。
あっ!俺は馬鹿か。異世界と言ったら鑑定だろ!
「鑑定!」
うーむ・・・、言うだけじゃダメなのか。
もっとこう、知りたいという感情を乗せてみっか。
「鑑定!」
あっ!なんかさっきと違って行けそうな感覚があるぞ。
それから15分ほど鑑定しまくってみたが行けそうで行けない。
そして腹の減り具合はピークだ。
とりあえず鑑定は一旦諦めて、もう食っちまうか?
「南無三!」
ガブッ
フオオオ、酸っぺ~!
・・・うん、でも毒は無さそうな気がする。
酸っぱさと甘さが9:1な比率だが、食えないこともない。
何よりも腹が減っていたので、その謎の果物を一気に5個も食ってしまった。
果物を限界まで作業着のポケットに詰め込んで、木から降りた。
「よし、とりあえず腹は満たされた」
レベル上げの再開だ!
・・・・・
ゴブリンを倒しながら奥に進むと、やっとゴブリン以外の魔物を見つけた。
「犬って食えるのか?」
どこか忘れたが、犬を食う国があったよな?というか目の前のアレは狼か。
そんな事を考えていたら狼に気付かれてしまった。
「ガルルルルル!」
うおおお、怖え!でもやるしかない!
狼が飛びかかって来た所をカウンターで斬る。
「ギャン!」
痛みで怯んだ隙を見逃さず、剣を突き刺し息の根を止めた。
「ハアッ、ハアッ、ハアッ」
よしッ!ゴブリン以外も大丈夫だ。
とりあえずここは危険だから、死体を担いで川辺まで戻ろう。
・・・・・
戻る途中で枯れ木や枯れ葉を拾い集め、火を付ける準備もしておく。
こういうのは小説を書いていた時にしっかり調べてあるから大丈夫だ。
雑学ってのは困った時に頼りになるなあ。
とりあえず最大の難関は狼の解体だ。
肉をゲットするだけじゃなく、寝る時のために毛皮も綺麗に剥ぎ取る必要がある。
重要な素材だから丁寧にやるぞ。
何度も吐きそうになりながら狼の解体は無事完了した。
結構時間がかかってしまったので、もうすでに腹が減って来た。
川辺で火を起こして狼の肉を焼き始める。
すぐ食うつもりだったので、血抜きはせずに肉を川で洗っただけ。
ここまでのサバイバル経験なんて無いから失敗から色々学ぼう。
ジュー、パチパチパチッ
もうすぐ焼き上がるって時に、匂いに釣られてゴブリンが出て来たのでサクッと倒す。なるほど・・・、料理中も気を抜いちゃダメだな。
そして焼き上がった肉にかぶりつく。
「はぁ~、うめえ・・・」
正直獣臭い。でも美味さは今まで日本で食ってた肉より上なんじゃないだろうか?
初めて自分で狩りをして手に入れた肉ってのもあるだろうけど、なんというか肉にコクがあるとでも言おうか・・・。味付けなんてしてないのに、ただただ美味い。
腹がいっぱいになっても止まらず、吐きそうになるほど食ってしまった。
残った肉は葉っぱに包んで持ってくことにする。
苦労して手に入れた食料をゴブリンの餌になんか出来るワケがない。
ただ少し暗くなって来たので、今度は寝床を作らなければならん。
この辺で適当に寝るなんてのは危険すぎて無理だ。洞穴なんてのも無いし、もう木の上で寝るくらいしか考えつかない。
絶対に寝るのに苦労するとわかっていながらも木に登って、寝ることが出来るように剣で枝を切りながら寝床を作ってみた。
こんなん絶対寝不足になるぞ。ずっとこういう生活が続くと思うと泣けてくるな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます