第6話
あれから5年、マルコフは私の前から居なくなった。
魔狼族の寿命は300歳~500歳、マルコフは150歳ぐらいだったらしい。死別ではないと言いたいだけです。
アイスは王族として、隣国の皇太子と結婚して今は王妃をしているみたいだ。と、言ってもその国の国土面積はこの王都の3倍程度しかない小国で、アイスが王妃になったせいで、ほぼこの国の属国になったと言っても良いだろう。
で、肝心のマルコフだけど更なる強さを求めて修行旅に出掛けました。平たく言えば、フラれた様なもんです。……グスン。
で、今はいつもの如くエロ駄女神と異空間の密会の間に来ております。エロ駄女神曰く、
「もしかしてさぁ、わざわざ並列世界じゃなくても良くない?」
と、今更の事を仰ってきてエロ駄女神が元々所有していた異空間のエロ駄女神ルームで逢うようになりました。
「あたしは何にもしてないよぉ! ホントだよ~。
あたしがしてるのは人種比率の管理と人口増加の調整だけで後は放置だもん!」
だもん! って、全裸でロケットおっぱいを前に付き出すな!
ずぅぅっと思ってたけど、何で自分は重力を無視したロケットなのに、私は谷間の出来ないBカップなのよ!!!
「だって、ユウナに似合わないもん」
「似合うもん!」
「似合わないよぉ」
「胸が大きかったらフラれなかったかもしれないし」
「……本気で思ってるの?」
思ってないけど……、わかってるよ、マルコフが居なくなった理由ぐらい。
私が強くなり過ぎたんだよ!
強くなりすぎるのも大変なんだよ。
ドアを開けようとしてドアノブ握ったら潰れたり、コップに入った水を飲もうとコップを持ったら割れたりするんだよ。
今はその辺の力加減は完璧だけど最初はね……。
そもそも、ステータス画面に力とか魔力の数値化がされてないからわかんないんだよ!
「何言ってるの? 見れるよぉ。切り替えてないだけしょ」
「はぁ? 見れるの?」
「ステータス呼び出して、横にスクロールすれば見れるよ~」
何故に横? 普通縦でしょ!?
名前 ユウナ・イミューズ
年齢 21歳
レベル 59
ユニークスキル
【全属性魔法ダメージ無効】
【物理攻撃ダメージ無効】
【戦闘王】
スキル
【ストレージボックス】【火属性魔法】【水属性魔法】【氷属性魔法】【風属性魔法】【土属性魔法】【聖属性魔法】【無属性魔法】【錬金術】【日常魔法】【鑑定】
称号
【女神に拾われた異世界人】
【女神の寵愛】
【ドラゴンの天敵】
【魔王を超えし者】
これで横にスクロール……、って今は見なかった事にしよう、うん。
名前 ユウナ・イミューズ
年齢 21歳
レベル 59
HP 25631
MP 651275
体力 528062
魔力 933350
速力 16825
知力 15229
魅力 13227
幸運 1254
あぁ~出たね。これってどうなの?
多分凄くヤバい数値だと思うんだけど……。
「あたしより全然弱いよ。因みにBランク冒険者の剣士でこんぐらいかなぁ」
名前 パルス
年齢 25歳
レベル 22
HP 1258
MP 122
体力 252
魔力 52
速力 89
知力 63
魅力 12
幸運 10
「……私、人間辞めてない?」
「当たり前だよぉ、ユウナは亜神族だもん。
此処に来てすぐは人族だったんだけどね~」
……それって、やっぱりあれのせい?
「もちろん!」
「言い切らないで! 少しは否定してよ……。
まぁ、何となく予想はしてたけどね。それにしてもMPの量凄くない? HPも大概だけど霞むね」
「ん、だって別にHPって別に1でも構わないもん。一応念の為に増やしてるだけだからねぇ~」
いやいや、1はヤバいでしょ! でも、ダメージ受けないんだったら1でも良いのか?
「まぁ、そんな感じだねぇ。もしかしたらあたし達にでも効く毒とかがあると厄介だからねぇ。
不老不死を覆す毒が無いとは限らないから。現に神殺しの剣は不老不死をも殺すからねぇ~。
とは言っても~、2、300年後には復活するけどね。でも、やっぱり痛いからね、斬られたり刺されたりすると……」
あれね、痛いって言うより熱い? って感じなんだよね。身体中は冷えきるのに刺されたとこだけ無茶苦茶熱いのよ。
「あっ、ごめん」
「ん? あぁ、大丈夫だよ。問題なし!
それより私に付いてたあの称号は何?」
「あれねぇ、ユウナがレベル20超えた辺りで、この世界にいた魔王のステータス上回っちゃったんだよねぇ~、だから付いた。天界に住むようになったら消えるよ」
そう言えば天界に住んでもらうって言ってたな。
「天界ってどんなところなの?」
「それは来てからのお楽しみって事で~。綺麗な所だけど退屈かな?
だから、神々は色々と暇潰しをしてるね、あたしがこの世界を創ったのもそう」
ふ~ん、何か面白そうだね。
「簡単に創れるの?」
「創るのは簡単だよぉ。でも、管理がムズいの~!
決まった面積に生き物が密集すると、戦いが起こるの~。あたしはそれが面倒だから広大な土地を海で隔てて、戦いを最小限に留めてる。
ぶっちゃげると、この世界は地球の10倍の生活圏に対して人口は1/10にしてるよぉ。
国境が隣り合わなければ戦争は起こんないからねぇ~」
「なるほどね~」
「でも、ユー帝国だけは別だよぉ。あの国はどんどん空いた土地を開拓していって領地を拡げ、それによって隣接してしまった国を吸収していった。
あの大陸にあたしは6つの国を創ったけど、残ってるの帝国だけになったからねぇ」
ふ~ん、だからマルコフは帝国でのSランクに拘ってたのか。
「ユウナも1度帝国に行ってみたら? この世界の親を知っといた方が良いよぉ」
「それ大丈夫なの? 私は家から放置されてるんでしょ? 嫌われてるんじゃないの。
いきなり、お帰りなさい。ぐさり! なんてヤだからね」
「ナイナイ。帝国のSランク冒険者はちゃちな貴族爵位より扱いが上だからねぇ~。
爵位で言えば公爵と同じ、ユウナのパパさんと同格って事~。だからパパさんはユウナの行動に文句を言えないの~。
これはあたしが設定したんじゃないからねぇ~。帝国が決めた事だからね。あたしはそれを利用しただけ~」
「そうなんだ。────ん?」
何だろう? 何か引っ掛かるんだけど……。
「ユ、ユウナ! そろそろ送るよ」
私はアルテミスから船に乗って帝国へと向かっている。
3日間の船の旅、魔物もいるけど船には雷属性の魔法使いが在中していて、簡単に倒してしまう。
やっぱり水の生物は雷系に弱いみたいだ。そんな訳で何事もなく、私はユー帝国に着いた。
「馬車を用意してくれる? 家に帰るから」
「……はっ! 暫くお待ち願えますか」
私が提示した冒険者カードを見て、衛兵は慌てて建物の奥へと走って行った。
ファミレスから聞いてたけど、ここまでなんだね。
取り敢えず、ファミレスに言われた通りに言ったんだけど……。
そして、さっきの衛兵が戻ってきて私に話し掛けてきた。
「ユウナ様。既にお迎えが来ております。此方へどうぞ」
お迎え? 何で? 誰が?
衛兵に連れられて、迎えに来ているという馬車のところまで来て、私は目を見開いた。
漆黒に炎の模様が入っていて、馬車に繋がれている馬も黒馬だった。
「お連れいたしました。イミューズ卿」
まさかの家からの出迎え!
衛兵は馬車に向かって話していると、馬車の扉が開いて、中から女性が降りてきた。
「ご苦労様。貴方はここまでで良いわ」
「はい、では私はこれで」
衛兵は早足で去っていく。残されたのは私と馬車から降りてきた私と同じぐらいの年齢に見える女性だけ。
「初めまして、貴女が我が娘ね」
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