第38話 対魔王軍戦? ⑭ -talking heads-

 「レベルっていくつぐらいなんですか?」

 

 「なに?男としての?」


 「なに?人生の?」


 「いや、自分のステータスというか…」


 「車?」

 

 「女?」

 

 「あぁ、なんか、いいです。ありがとうございます」

 

 「なんやねん。お前はどうなんよ」

 

 「レベルですか?」

 

 「うん。そもそも人にレベル聞くときはまず自分からやろ」

 

 「あ、たしかに!失礼しました。俺は300ぐらいですね」

 

 「どゆことやねん」

 

 「300ってなんやねん。マックスいくつまであんねん」

 

 「999だったと思いますよ」

 

 「プロアクションリプレイか」

 

 「そもそも、レベルってどうやって分かるん?証明書みたいなんがあんのけ?いきなり夜間に車乗ってたら、窓コンコンてされて、『ちょっとレベル証見せてもらえる?』みたいな?『いや、僕レベル300ですけど…』いうたら、『どっひぇーー!し、失礼しましたぁ!』みたいなこと?」


 「急に喋りすぎやねん。水浴び出来てスッキリできたんかしらんけど、トカゲ君ビックリしてるやん」


 「い、いや、なんかずっと思ってましたけど、凄い喋りますよね。お二人とも。頭の回転速そう」


 「まず、俺は頭とか使ってないから。全部反射で喋ってるから」


 「そうそう、だからコイツの言うてる事なんてほとんど嘘やからな。魔法の類もハッタリやから。コイツ教員の仕事クビなってるし」


 「クビちゃうわぁ!今は人手が足りてるからまた緊急の時に是非!いうてはったし」


 「それ遠回しにクビなってるんやって」


 「そうなん!?」


 「トカゲ君もそう思うやろ?」


 「い、いやぁ…。ていうかこんなゆっくりしてていいんですか?お仲間が今も戦ってるんですよね?」


 「うーん…」


 「せやなぁ…」


 「「「……」」」


 「…面倒くさくなってません?」


 「言うなよ」


 「それ言うたらあかんやん」


 「いや、面倒くさくなってる方がダメですよ」


 「いや、面倒くさいなんて言うてないやん。もうちょっとゆっくりしていけへん?って提案してるだけやん」


 「いや、提案はしてなかったですよ。ものすごい渋い顔してましたよ」


 「コイツほんまそういうとこあるねん。ってかそのネックレスも何本巻くねん。そんだけいらんから」


 「これ一本一本にちゃんと意味がこめられとんねん」


 「へぇ!魔道具かなにかですか?」


 「まぁ、そんな感じやな。コレは俺の仕事の先輩がくれたやつ。一番思い出に残ってる」


 「それは大切やなぁ」


 「せやろ」


 「その髑髏がついてるのはどういう意味があるんですか?」


 「これ?これはぁぁ…あのぉ…あれや。勇気百倍な感じやね」


 「大ダウト」


 「なんでやねん。これつけたら勇気出てくんねん。よし!今日もやるぞ!ってなるねん」


 「それこそ先輩にもらったやつで勇気貰わんかい。なんでそんな一番禍々しい髑髏から勇気貰うねん。吸い取られる側やろ」


 「おいおい。髑髏=悪、みたいなそういう安直な考えやめてくれへん?お前いつまで暴走族、海賊気分やねん」


 「ほな、その一本だけ色が違うそれ、それはどういう意味があんねん」


 「これはぁ…そのぉ…」


 「はい!もう無いやん!なぁ!?トカゲ君もそう思うやろ!?反射で言葉出すんとちゃうんかい!」


 「いや!ちょ、待てよ!ほんまにあるけど、結構前に買ったやつやからうろ覚えなの!今思い出してるだけやから」


 「でもそれだけ魔道具を付けても普通で入れるってすごいですよ」


 「せやろ!?」


 「おい、クソトカゲ。コラ。話変えて助けらんでええねん。オイ、薄情ハゲ。はよ言えや。その黒いネックレスはどういう意味があるんですか?」


 「天パまじキショい」


 「俺に言うてるやんけコラ!明らかに俺単品に対してやないけぇ!」


 「しかたないやんけ。そういう意味があるねんから」


 「百歩譲ってそういう意味やったとして、なんでそれをお前が買うねん」


 「日ごろからずっと思ってたからやな」


 「…え?そ、そうなん…?」


 「うん…」


 「…」


 「…」 

 

 「…すいません、その…テンパってなんですか…?」


 「いや、もう今はやめて…」


 「トカゲ君、さすがにひどいわ。空気読も…」


 「あ、すいません…」


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