7 選定

「誰だお前は」

 問いかけるアスキス。

「俺をここから出せ」

「こいつは蜂起した人間の一人で、任務者を扇動したヴァルシュ・ツタイン」

 イプシムが補足する。

「お前を外に出すわけにはいかない」

「俺をこんなところに閉じ込めやがって。こいつの電源を切れ。シャットダウンしろ」

「それはできない」


 その後もヴァルシュは悪態をつき続け、有益な情報は得られず埒が明かなかった。イプシムとアスキスは、次々と超立方体に保存されている前任務者達の人格データと面談していった。

 最終的に、64人の前任務者の人格をクローン体に移行させ、アスキスの仲間として迎え入れることを決めた。

 超立方体に保管されている人格の中には、アスキスに応答せず沈黙を続ける者や、ヴァルシュの様な者、精神錯乱を起こしている者などがおり、全ての人格を仲間として迎えることはできなかった。

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