第19話 エピローグ
――半年後。
戦いは終わった。
数百万の犠牲を払った大阪に、少しずつ活気が戻りつつあった。
事件の真相は当然、政府にも警察にも分からなかった。
全てを理解しているのは藤原と涼子だけで、二人がそれを口外する事はなかった。
雲一つない透き通る様な青空を、公園のベンチに座って見つめている藤原と涼子。
藤原が涼子の頭を優しく撫でた。
「お兄ちゃん、屁たれにはなりたくないね」
涼子が藤原の耳元で、悪戯っぽい笑みを浮かべて囁いた。
「……そやな……」
藤原が青空を見上げたまま、そう言って笑った。
屁たれたちの挽歌 栗須帳(くりす・とばり) @kurisutobari
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