目覚めたら森の中に...
「ゆら、何寝てんだ」
(親父か、何だよ寝て悪いかよ)
「おいおい、それで百鬼夜行の総大将と呼ばれるぬらりひょんかよ」
(うるせぇ、俺は酒飲んで煙管(きせる)で煙を吐いてれば幸せなんでよ)
「妖怪をみちびいてあげるのもぬらりひょんの定めなんだけどな」
(うるせぇよ)
視界が白い光に覆われた
「眩しいなここはどこだ」
視界が定まってきて、木々が見えてきた。 おそらく森の中らしい。 しかし、さっきまで夜中で陰陽師と侍達に追われていたのに何で日が出てるんだ
「とりあえず、周りを調べてみるか」
俺は立ち上がり森の中を歩き始めた。 森の中を歩いてるのに何か違和感を感じる、何かはわからない。例えて言うなら、まるでいる世界が違うようだ。 妖力も感じるが、妖力以外の何かを感じる
しばらく歩くと、何か目線を感じた。 誰かに見られているな。 気配からして3人
「いや、3人じゃないな3匹か独特の獣臭。妖怪か」
腰にかけといた刀を抜いて、襲撃に備える
「かかれ!」
「うおおおお!」
一匹の合図とともに茂みから3匹が飛び出して襲撃してきた
でかい
赤い
赤い鱗をしたのが俺に切りかかってくる。 俺はそれを避けて、残り2匹の攻撃も避ける
「ちょこまかと!」
もう一度きりかかろうと振り向くと。 さっきまでいたぬらりひょんの姿がなかった
「どこだ!?」
大体の強さはわかった。 いろいろ聞きたいことがあるから、
「ここだよ」
その声に反応して3匹とも瞬時に声の方向に振り向き、一斉に斬りかかった
抜刀術〈
鉄が体に当たる鈍い音が周囲に響き渡った
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「うっ...」
「お、やっと目が覚めたのか」
俺は、謎の蜥蜴を気絶させ、蜥蜴達が持ってた縄で3人まとめて縛ってた
「俺達やられたのか。 峰打ちか、俺達を奴隷商にでも売りに出すのか?」
奴隷商?聞いたことないが、とりあえず無視して話を進める
「いや、そんな事はしない。 ここがどんな世界か知りたいんだよ」
俺は煙管を吸いながら蜥蜴達に聞いた
「何を言ってる??外国からでも来たのか、確かに見ない
「魔物?お前らこそ何を言ってる。 俺達は妖怪って呼ばれてるだろ」
蜥蜴達はお互い目を合わせて、あっけにとられた顔をした
「あんた、妖怪なのか?」
赤い鱗をした蜥蜴男
「ん、妖怪って言ってるだろ。 お前らも妖怪だろ」
「いや、俺らは妖怪ではないリザートマンっていう魔物だ。 だけど、妖怪の存在は知っている」
妖怪と魔物は何が違うんだ?それに、妖怪を知ってるって?
「妖怪を知ってるって言ってたな。 なんで知ってるんだ」
「それはこの辺の山々を縄張りにしてる怪物が、「俺は妖怪だ!」って名乗っているんだよ」
妖怪と名乗る怪物か面白そうだな
「そいつはどこにいるんだ」
「そいつはいつも夜に行動している。 昼間は俺等みたいな魔物が徘徊しているが、夜になると魔物達は怪物の縄張りから出ていくんだ」
「夜になるとそいつが会えるんだな」
「おい、まさかあいつに会うのか」
さっきまで淡々と話してた、魔物が慌てだした
「あぁ、そいつに興味がある」
「辞めとけ、あいつはただ強いだけじゃない。 称号持ちだ」
「称号持ち?なんだそれは」
魔物達はまたお互い見直して顔をキョトンとした
「知らないのか、称号持ちの魔物は別格だ。 ただ過ごしているだけだと称号は身につかない、短期間で大人数を倒す、特定の行動をし続けるなど、特別なことをしないと手に入らないんだ。 そして、それを手に入れると容姿や体型などに変化が起きて唯一無二の存在になるんだ」
ここまで聞いてわかった。 ここは俺が知ってる世界と違う。 だけどこの世界にも妖怪が存在している点、俺がここに飛ばされた点、少なくても俺がいた世界と、ここの世界は何かしら繋がりがあるんだろう
そして、称号というのも気になる、それを手に入れると姿が変わるとは面白いな
「てことは、あんたも称号持ちなのか。 ほかの2匹と違って鱗の色も違うし、体型も筋肉質だ」
「大まかに見ればそうだ。 俺は
なるほど、確かに称号のあるなしで変わるのは本当のようだ
「いろいろ話を答えてもらって悪かったな。 帰っていいぞ」
俺は、リザードマンを縛ってた縄をほどいた
「いいのか...」
「あぁ俺は悪い奴は殺さん」
夜まで時間ありそうだな、しばらくこの森を散策するか
「ちょっと待て、俺も行く」
赤い鱗をしたリザードマンが俺を呼び止めた
「好きにしろ」
赤い鱗をしたリザードマンは、ほかの仲間を返して。 俺の後についていった
俺は木の上で煙管をふかしながら夜になるまで待つことにした
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