天女の手鏡
ぬらりひょんが手鏡を見て姿が消えると、村人達と侍はありえない現象に驚き騒然とした
「姿が消えたぞ!?」
「どういうことだ!?」
村人達が混乱してる中、巫女の安倍涼音(あべのすずね)は妖怪が消える前にもっていた手鏡を拾った。 そこへ1人の村人の女性が巫女の元へ来た
「巫女様、その手鏡はなんでしょうか」
「
それを聞いた村人の女性は、驚きを隠せなかった
「なんで、そんな物がここにあるんですか」
「ここの村の創設者が、元々平城京の仕官で都を離れる際、帝から「これはもう使うことはない。 しかし、人が多いところに置くと、盗まれる可能性がある。 都を離れるなら、これを人目につかないような所に隠してくれないか」 と言われたそうです。 しばらくして、私の先祖の安倍一族にその士官から、頼まれてここの神社に隠したそうです」
そして巫女は、自分が放った矢の呪力で粉々になった、札を拾い上げた
「しかし、500年以上の年月が経ち、ご先祖様がばれないように施した札も効力が無くなりかけており、私が札の取り替えをするためにここに来たのですが、こんなことになろうとは」
矢が貫通して手鏡も割れるという最悪な事態は免れたが、問題は手鏡を見た、ぬらりひょんが消えてしまったことだ
「あの、すみません。 そのさっき話してたことで、平城京を荒廃するまで追い込んだ帝の側近は誰だったんですか。 ごめんなさい気になってしまい」
巫女は手鏡についた汚れを払った
「帝の都を荒廃させるまで、追い込んだものは...帝の弟さんです」
「え...」
帝の都を荒廃させた原因が実の弟ってことに驚きを隠せない村人の女性
「帝の弟さんは、次の帝を決める際、病弱だった兄は帝になることを辞退して、弟さんが帝になる予定でした。 しかし、お兄さんはただの病弱ではなく、「
「そしたら帝の弟さんは」
「はい、兄が復帰したので慣習に従い一番早く生まれたお兄さんが帝に、弟さんは帝の補佐をする役職になりました。 そして、弟さんはそのことを恨んで、お兄さんを苦しめた妖怪と悪魔の契約をして、自分自身も妖怪になり、結界が張って侵入が不可能だった平城京に別の次元から招き入れて平城京を荒廃させる一因を作りました」
「そんなひどい...」
巫女の鈴音は、村人の女性手鏡を見せる
「この手鏡は裏切り者の正体を見抜くだけではなく、弟さんが、作った別次元に通じる穴を封印したものになります。 恐らく私が、矢を撃ってぬらりひょんがそれを盾が変わりにした際、次元が溜め込んだ妖気と私の呪力がぶつかりあって一瞬、次元の穴が出現、ぬらりひょんは、それに巻き込まれたと思われます」
「今次元の穴は、じゃあその手鏡の中に?」
巫女は手鏡を村人の女性に見せた
「私もそれを確認しましたが次元の穴はありませんでした。 私の考えが正しければ、次元の穴は高濃度の妖力がある場所じゃないと維持ができないと考えられます。 一瞬だけでたのも、封印する際に妖力ごと手鏡に封印したので、それを燃料にして一瞬だけ出現しものも、平城京の時と違い、神社という妖力が極端に少ないとこに出現したので、燃料となる妖力がなく形を維持できなくて崩れたものと思われます」
村人の女性はそれを聞いて、ある結論に辿り着いた
「じゃあ、ぬらりひょんはその次元の穴に巻き込まれたと?」
「その通りです。 なので、ぬらりひょんは次元の穴に通じる先にいると思われます。 しかし、私は次元の穴が通じる先がどこか知りません。 この手鏡を安倍一族のところに持っていき次元の穴が通じる先を調べたいと思います」
その後、巫女は村長に「ぬらりひょんの行方をつかむ」と伝え村を後にした。村人達はこの事件の事をお山さんの怒りとして、語り継がれて行った
後に平城京の帝が祀られた寺で見つかった書記や手記には当時の平城京の混乱具合が書かれていた
西暦780年の平城京の僧侶による書籍
”南の朱雀門にて突如妖怪が現る、その数100を超える。陰陽師曰く普段見ない妖怪だったと”
西暦781年 当時の陰陽師が残した手記
”昨年、謎の妖怪による襲撃から1年、また今年も謎の妖怪の襲撃があった。今度は北の白虎の門と南の朱雀門、2ヶ所に数は倍以上か”
西暦782年 帝の付き人による手記
”北・南・西、の方角から突如謎の妖怪現る。陰陽師や侍達が応戦したが1週間鎮圧にかかる”
西暦783年 天皇がかかせた書記
”予想してた通り東西南北から謎の妖怪現る、都の全兵力で1カ月による戦いの末、都を死守”
西暦784年 天皇の書記
”都を長岡京に遷都、平城京を破棄した”
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