四季を想って海を恋ゆ

八草秋水

第1話 春と彼女と暖かな風

家から電車に乗って駅から海風の気持ちの良い道を歩き少し坂を登った場所にある公立遠江佐久間高校に入学した。

坂には、桜が多く咲き春を感じさせた。僕の他にも入学生は、たくさんおりそのほとんどがこの坂を登って行く。

この学校は、生徒数約六百人で普通科があり変わった取り決めもイベントも無いの至って普通の学校で自分の家からも近かった為即決した。

意外と偏差値も高く入るためには、必死に受験勉強もしたがそれも今日で終わったというわけだ。



入学式も終わり校舎案内についていっていた時ふと窓の外を見た。

この時僕は、本館から南館に移動するために渡り廊下を歩いていたわけでこの日は、雨も降っていて傘もささずに外にいるなんて普通に考えてあり得るこのないことなのだがそんな奴がいた。

黒く長い髪を携えた背の高いこの学校の制服を着た女子生徒だった。

この時の僕は、異様な彼女に気味悪く思うのでは無く何故か不思議と彼女が綺麗で目に入れても痛くないほど魅力的に見えた。

彼女を見ていると不意に彼女は、こちらに向き目が合った。

彼女の顔は、目尻が赤くまるで泣いた後のような顔だった。

しばらくして僕は、人波に溺れてその場からどんどんと離れて行った。

***

***

***


雨は、止み校舎案内が終わった後に急いで校舎を出たがそこに彼女の姿は、なかった。

あれは、なんだったのかそもそも本当にその“彼女“は、存在するのか?

もしかしたら幽霊だったり、、、ふと見た彼女が頭からは離れない。

けどそんな事を考えていても終わりがあるわけでもなく僕は、そのまま寝てしまていた。



次の日

僕は、身支度をしてすぐに学校に行く。

駅を出て海沿いの道を通り坂を登る校門前俯いた彼女が何故か1人ポツンっと立っていた。

まだ今は、七時前。野球部などの一部の運動部が朝練をしている程度でその中一人校門の前に制服で立っていると言うのも不思議な話だ。

けど僕は、昨日の事が知りたくて勇気をだして声を掛けようとした時

「見てましたか私が一人雨が降っている中立っているところを」

「はい、、、見てました」

そう言うと今までの優しそうな顔では無くなり

「放課後南館一階の美術室に来て、、、わかった?」

と首元を掴まれ寄せられ若干怒りの篭もった声で言われた。

「はい、、、わかりました」

彼女は、僕の了解を確認すると手を離しすぐにどこかへと言ってしまった。

呆然としていると春の暖かな風が吹く。

僕は、思う彼女は、れっきとした僕にとっての春の嵐だと。





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四季を想って海を恋ゆ 八草秋水 @Rousyu1567

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