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完成した絵は、彼女によって売り払われてしまった。
正確に言うならば、ごく
鹿島は亡き人のなかに数えられている。それは、物語から
* * *
筆者の元には、続々と新しい資料が集まってきている。供給過剰と言えないこともない。ほとんど毎日のように、
本作が「物語」である
ところで、筆者自身も、確固とした存在ではない。筆者自身も架空の存在である――というわけでもない。しかし、筆者は実際の人物である――ということでもない。
これは、どういうことであろうか。それは、本作の後半で語られることであり、核心的なテーマでもあるから、ここで記述するのは差し控える。
さて次は、あの
この物語に関する資料は、意外にも豊富である。
さらに、それらの資料には、主要な人物の名前が書きこまれているため、「彼女の母」のような表記をしなくていい。これは、筆者にとって望外な喜びである。というと大袈裟と思われるかもしれないが、長らく「彼女」とか「彼女の母」とか、代名詞で物語を書くことはたいへん苦痛であった。煩雑なだけでなく、読者の方々にしても迷惑だったと思う。
ここで附言しておくと、本作においては、資料にあるようなあからさまな性描写を省いている。できるかぎり隠語を用いている。
しかし、資料にある性描写をそのままに反映した状態のものを、今後どこかで発表するかもしれないことを、一応、ここに明記しておきたい。
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