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筆者はこれから――こうして「筆者は」という主語が登場するたびに、「読者は」げんなりしているかもしれない。そう思うことが、しばしばある。筆者は何度も、この物語に筆者自身が登場することを
筆者はこれから、莉緒の母の日記の一部を引用する。難渋な語彙が散見されるし、筆者自身意味がよく
* * *
彼が魅力的なのは、わたしが付き合う前の夫の幻影をそこに感じるからであって、付き合ってから結婚しいまに至るまでの過程において、夫と彼は永遠の不等号だし、その審級は、
わたしは彼の背中を何度ひっかいたことか分からない。ひっかかないではいられない。快楽のためというより、それ以上に、打ち上げ花火を狙撃し捕獲し
ゴムを結んで壁に投げると、結び目は解けて、床に池が作られた。プロテスタントであり反攻であり、反転であり転回であるその藝術から視線を外し、わたしたちは情熱的に目を衝突させて、自然と唇を重ね合う。夫とはできないことを、彼と試すことができるし、試した結果がどうなろうと、彼はポスト・ハズバンドの領野に
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炎天下の飢えた狼の分派の
彼の影に放物線を描いて石が投げ込まれた。振り返るとそこにいたのは彼女だった。彼女は、彼が予想していたより彼を探すのがうまかった。そして、ただれるほど情熱的だった。パラソルの影でふたりは、芳醇で爛熟した口づけをした。インセスト・タブーを破った
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