プロローグ 終
「ア、リア?どういう、ことだ……?」
体に剣が突き刺さった状態で何とか声を振り絞る。
それを嘲笑うかのようにアリアが俺が見たことのない程に醜悪な顔で笑う。
「あれ?まだ分からないの?あなたは嵌められたんだよ私にね!アハハッ!」
「は、嵌められた?」
俺が……アリアに?
いやあり得ない。
俺の知っているアリアはこんなことしない…
否、できない。
そんな俺の心を読むようにアリアが言う
「ねぇ、アレクもしかして私があなたを裏切られないと思ってる?」
「っ!!」
何か嫌な予感を感じ、すぐに戦闘態勢に移る
………一瞬。
俺には一瞬だったが、アリアには十分過ぎる時間だったのだろう。
俺が気が付いた時にはアリアが俺の目と鼻の先に居た。
「遅いよ…」
俺の体は吹っ飛ばされた、そしてすぐお腹に激痛が走る。
「あぐぁうぁ…ッ!!」
余りの激痛にお腹が弾け飛んだかと思った。
恐らく《神眼》のスキルを使って身体能力を上げているのだろう。
俺が痛みに悶えている時にアリアの後ろから、もう一人の幼馴染みワイドとクソ親父が歩いてくる。
「滑稽だな、アレク?アリアに裏切られたのがそんなにショックか?」
俺を軽蔑の目で見ながら不敵な笑みを浮かべているワイド。
そんなワイドを見て俺の中で激しい怒りが沸き立つ。
「ワ、イドぉぉぉぉ………ッ!!!!」
そんな俺を見て親父も俺を鼻で笑った。
「お前は所詮欠陥品、欠陥品は処分した方がいいだろう?」
「貴ッ様らァァ……ッ!!!!!」
親父とワイドに激しい怒りが沸いてくる。
俺を裏切ったことに対しての怒りが…………
「もういいだろ?アレク、君はいろいろ邪魔なんだ」
そう言ってワイドはアリアの側に行き肩に手を乗せる、それだけでアリアの顔が朱色に染まる。
その瞬間に俺は全てを悟った。
このスキルを授かってからもう全て奪われていたことに
友も、親も、家も、地位も、そして、恋人も。
そう思った時、俺は言葉にはならない絶叫を上げた。
そして怒りに任せ、アリア達に向かっていく。
ー殺す
黒い感情を心と体に宿して、
だが直ぐに親父の横にいる白銀の騎士に吹き飛ばされる。
「ぐっ……ッ!!」
「ごめんね?アレク………」
そう言って俺に近づいてくるアリア。
俺は力を振り絞り、立つ。
「ア、リア……」
「じゃあね……」
アリアが俺の体を谷に落とす。
俺の体が《神々の亀裂》に落ちていく。
………落ちていく途中アリアが泣いているような気がした。
憎悪、怒り、悲しみ、しかし俺の心を今占めているのは圧倒的なまでの……
……復讐心だった。
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あとがき
今回は少し長めになりました。
次からやっと本編です。
長く待たせてすいません🙏
あと面白いかったら☆☆☆とフォローよろしくお願いします!
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