第7話


「あなたの分の会計も私が払うからさ!

もっと声聞かせてくれない??」


金髪ギャルにそう耳元でささやかれ、

俺は嫌とは言えなくなった。

しかもな。タダで歌えるとか、ラッキーだし!

しかも、美女ギャル四人に囲まれているって、

俺、すげえええ、なんて思いながら、

何曲か歌う羽目になったのだった。


さて。


俺は滅茶苦茶歌声褒められて。

外見も悪くないなどと言われて。


二つ返事で、新しいバンドへの加入を決めた。


その後、四人それぞれの名前が判明することになった。


金髪ギャルのハルって女が、

俺に残りの三人を紹介してくれた。


極めて覚え易い。


何しろな、


春夏秋冬だったから。


まず、茶髪ボブが、ナツで。

赤毛ショートがアキ。

最後にブルーアッシュのロングヘアが

冬の子と書いて、トウコって読むんだと

教えてくれた。


「俺はシンジ。よ、宜しく!

今、高校二年生!」


「マジ!?うちらと一緒だ!!」


ハルがキャッキャと騒ぎ、

どうやら、四人のなかで、1番明るくて

元気のいいまとめ役らしかった。


「あのねー、あと、言ってなかったけど、

私のママね、ボイストレーナーしてるの!」


「シンジ、ちょっとトレーニング受けてみない?更にその声に磨きをかける意味で!」


「いや、でも、うち、貧乏で

お金があんまなくてさ...」


「それ、

大丈夫よ!ママはボーカリスト見つけたら

無償で指導したげる!って言ってたし!」


「ま、マジ...!?」


ね、願ってもない、展開だぞ...!?

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