第3話


「同性のシンジに甘いなぁ!三人とも!

大体ね、何かしら原因があるから、ライブしても人が集まんないのよ...!路上でやってもダメ、ライブハウス借りてもダメ...!!

私的には絶対、シンジのビジュアルのせいだと思うわ...!!」


「ユーマ達がいくらカッコよく弾いてくれてもさぁ、シンジの見た目で引き算されてると思うのよね...!!」


「ごめん...」


あまりにも責められて。


俺はつい、ぽろりと謝罪の言葉を口にした。


「悪いと思ってるからさぁ!

出てってよ...!」


「私の方である程度、声量があるイケメン探すからさ...!シンジよりずっとずっと、カッコいい女ウケする顔したボーカリスト探すからさぁ!!」


随分な言われように。


俺は折れた。


「ああ...。分かった」


「今日限りで俺はお前のバンドを抜けるよ...」


「うん、そうして...!!」


人は誰しも。


何か事が上手くいかないときは。


何かのせいにしたい生き物なのかもしれない。


誰かのせいにしてしまえば、

心が軽くなるからな。


なんてことを考えながら、俺は肩を落として歩き、でもその一方でむしゃくしゃしてたから。

そんな気持ちを吹き飛ばすべく、

一人カラオケでもしようと思った。


新しくできたばっかのカラオケ屋が目に入ったから、そこに向ったんだ。










  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る