第41話
「わざわざすまないね。君が噂のツカサ君か」
俺は静かに一礼をしながら、コザットの顔を確認する。前にユキさんから聞いた通り、いかにも薄汚いことをやっていそうな男だな…
「大人しくしていろと警告してやったというのに、仕方のない奴だなぁ」
そのコザットの横にキールが腰かけている。二人ともすでに勝ち誇った表情を浮かべていて、その姿は余裕そのものだ。
「さて、今日君たちに来てもらったのは他でもない。我々の独自の調査によると、君たちは我々民生局の名誉を著しく傷つけようとしている、という疑いがある」
「ほう」
よくもまあそんな建前を思いつくものだな、と感心させられる。
「は、はぁ!ふざけんじゃ」
反射的に口を開いたミリアナを、テルナが咄嗟になだめる。
「もちろん君たちにも言い分があるのだろう。だからこそ今日は、これだけの証人に集まってもらったのだ」
俺たちの周りには、今日の話し合いを公平な立場で見届けるために呼び出されたという数十人の人達の姿がある。…しかし支局長の話によれば、ここにいるほとんどの者はコザットの手の者という話だ。まったくどこまで汚いんだか…
「さて、時間ももったいないので本題に入ろう。私が独自に入手した情報によれば、君たち四人は結託して我が民生局を貶めるという、全くもって許されざる活動をしているとのことだが、間違いはないかね?」
知能全振りで始める異世界生活 大舟 @Daisen0926
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