第224話 大学編part24 四人で温泉旅館①

 大学生活も順調に進み季節は夏。

 俺達は大学生活一回目の夏休みに突入していた。

 そして今は姫香の車で俺が運転してある場所に向かっている最中だった。


「いや~楽しみだね~!」

「ですね!まさかこんな日が来るとは思ってもいませんでした!」

「ね~!お部屋に露天風呂が付いてるらしいよ~!」

「最高ですね!」


 後部座席で和気あいあいと楽しそうに目的地の話をしている姫香と真美。

 そう。俺たちが車で向かっているのは部屋に露天風呂が付いている温泉旅館だった。


「二人とも楽しそうだな」

「そうだな」


 珍しく今日は歩が助手席だ。


「翔は温泉行ったことあるか?」

「いや、行ったことないな。歩は?」

「俺もないな。だから、俺もワクワクしてる!」

「それは俺もだ。ワクワクしないわけがないだろ?」

「だよな~。早く着かねぇかな~!」

「もうすぐ着くぞ」


 それから数十分車を走らせて目的血の温泉旅館に到着した。


「着いた~!」


 車から降りて外の空気を吸い込むように伸びをした真美。

 

「着きましたね~!」


 姫香も真美に倣って伸びをした。

 その温泉旅館は町中から少し離れた山の中にあった。

 なので空気が美味しい。

 俺と歩も二人と同じように伸びをしてその美味しい空気を体の中に取り込んだ。


「翔君。運転お疲れさまでした」

「翔ありがと!」

「どういたしまして」

「さて、中に行こう!」


 トランクの中っから荷物を取り出して俺たちは旅館の中へと入っていく。 

 ここの温泉旅館は百年以上続く老舗らしい。

 古めかし外装は奥ゆかしさを醸し出していた。

 中に入るとすぐに女将さんらしき人が笑顔で出迎えてくれた。

 そのまま女将さんに案内されて部屋に向かう。

 

「うわぁ~!凄い!」


 部屋に入るなりすぐに真美が感激の声を上げる。

 そんな真美を見て女将さんが嬉しそうに笑った。


「お食事の方は十八時ということでよろしかったですか?」

「はい。それでよろしくお願いします」

「かしこまりました。では、それまではゆっくりとごくつろぎください」


 もう一度ニコッと笑うと女将さんは部屋を後にした。

 そして、女将さんがいなくなったことを確認すると、真美と歩は騒ぎだす。


「ねぇねぇ!早速露天風呂に入ろうよ!」

「そうだな!入るか!」


 そう言いながら俺たちがいるにも関わらず服を脱ごうとする二人。

 たまらず俺と姫香は「おい!」「真美さん!」とツッコミを入れる。


「何?」

「何じゃないだろ。俺たちがいるのになんで服を脱ごうとしてんだよ」

「え、だって服脱がないとお風呂に入れないよ?」

「せめて隠すか何かしろよな。いくら何でも無防備すぎるだろ」

「別に翔に見られるくらいどうってことないし」


 そう言ってニヤッと笑った真美に「真美さんっ!それはダメです!」と姫香が言う。


「冗談だって、姫香ちゃん。それにちゃんと水着着てるから!安心して!」

「それなら、許します」


 姫香に許可をもらった真美は何の躊躇もなく服を脱いだ。

 引き締まった体に紫色の水着、そして真っ黒な視界。


「翔君はあんまり見てはダメです。見るなら私の水着姿にしてください」

「あ、ああ。ごめん」

「私たちも一緒に入りますか?」

「いや、二人が上がてからゆっくりと入ろう」

「そうですね。そうしますか」


 視界が開かれるとすでに二人は露天風呂に行った後だった。

 

「じゃあ、私たちは旅館の中をぶらっと歩きませんか?」

「そうだな。行くか」


 姫香と手を繋いで一緒に部屋を出ると、旅館の中を散策することになった。


☆☆☆

 

「あの二人部屋から出て行ったね~」

「みたいだな。旅館の中を見て回るんじゃないか?」

「だろうね。ここに来るまでにいろんな面白そうな施設があったもんね」

「俺たちも後でゆっくりと回ろうか」

「それもいいけど、やっぱり旅館といったらあれをしなきゃでしょ!」

「それもそうだな!この旅館にもあれ、あったしな!」

「やるからには絶対に勝ちたい!」

「もちろん!負けるつもりなんかないさ!」

  

 そう言い合う二人は幸せそうな顔で温泉に浸かっていた。



☆☆☆

 

 温泉旅館編スタートです!

 皆さんは温泉旅館に泊まったことがありますか?




 

 


 

 

 

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