第221話 大学編part21 姫香の誕生日④
俺の誕生日の時には姫香が手料理を作ってくれたからな。
日頃の感謝も込めて今日は俺が姫香に手料理を振る舞おうと思っていた。
事前に姫香の好きなものの料理の食材を買っていた俺は早速調理に取り掛かった。
☆☆☆
姫香と付き合って早二年。
姫香の好きな食べ物はバッチリと把握済みだった。
いろんなお店に連れて行かれたしな。
手際よく野菜を切っていく。
料理は基本的に姫香が作りたいと言うので任せているが、たまに俺が作ったりすることもある。
「相変わらず手際がいいな」
「まぁな。姫香と一緒に暮らすようになるまでは一人暮らしで自炊してたしな」
「俺はいまだに包丁を持つことすら怖いな」
「指を切ったんだっけか?」
「そうそう。子供の頃にお母さんの手伝いをしようと思って野菜を切ってたらザクッとな」
昔の痛々しい話を笑い話に変えて話す歩。
そんな歩は料理を真美に任せる代わりに他の家事をしているらしい。
「本当は俺も真美に手料理を食べさせてやりたいと思てるんだけどな。真美の誕生日も近いし」
「そういえば、そうだな」
これは去年分かったことなのだが、
俺が4月15日(さすがにもう忘れない)。
姫香が本日、5月17日。
歩が6月21日。
真美が5月29日。
と、俺達四人の誕生日はさほど離れていない。
「よかったら俺が教えてやろうか?真美が好きな料理だだけでも」
「マジか!?それはぜひともお願いしたい!」
「了解。真美に隠してってのは難しそうだけど、そこは姫香にでも協力してもらうか」
「それは心強いな!」
俺の肩をパンと叩いた歩は二人の元へと戻って行った。
歩が戻り、一人になった俺は料理を進めていく。
切った野菜とお肉をフライパンで炒める。
そして炒め終わった野菜とお肉を鍋の中へ。
最後に例の物を入れて、姫香の好きな食べ物かつ誰でも簡単に作れる料理の完成だ。
「いい匂いですね!」
匂いに釣られた姫香がキッチンにやって来た。
さすがにここまで完成していれば俺が何を作っているのか匂いだけで分かるだろう。
美味しそうなカレーの匂いがリビングまで充満していた。
「今日は翔の手料理か~!この匂いかぐとお腹がすく~!」
さらに匂いに釣られた真美までキッチンにやって来た。
その後ろには歩もいる。
「翔の手料理って久しぶりに食べるかも!」
「こっちに来たんだったら手伝えよ」
「了解!姫香ちゃんは何もしなくていいからね!私たちで準備するから!」
いつもならここで「そんなわけにはいきません」と言うのだが、今日は自分が主役だということを分かっているのだろう。
姫香は「よろしくお願いします」と微笑むとリビングに戻ってソファーに座り本を読み始めた。
「さ、私たちは準備するわよ~!翔、何やったらいい?」
「とりあえず、そこの食器棚からお皿出してくれ」
「了解」
完成したカレーライスを手にした俺たちはリビングに戻ると、サイドテーブルを取り囲むように座った。
四人で手を合わせていただきますをしてカレーライスを食べ始める。
幸せそうにカレーライスを頬張る姫香を見て俺も幸せな気持ちになったのは言うまでもないだろう。
☆☆☆
PV数が170万を突破しました〜✨
これも読者の皆様のおかげです!!
本当にありがとうございます😭
まだまだ続く予定なので引き続き四人の日常を・・・・・・いや○人の日常をお楽しみください!笑
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます