第218話 新生活編part18 姫香の誕生日①

 バイトを始めて一ヶ月が経過した。

 そして今日は人生で初めての給料日だった。


「はい翔君。一ヶ月お疲れ様」


 塩見さんから給料の入った袋を手渡しで貰う。

 なんでも、この方が働いた感があっていいのだそうだ。

 たしかに、その重みにこの一ヶ月自分がどれだけ働いたのかを感じさせられた。

 初めてのバイトで慣れないこともたくさんあったが、塩見さんが何から何まで優しく丁寧に一から教えてくれた。

 自分で働いてお金を稼ぐってのは大変なんだなと実感させられた一ヶ月だった。

 その一ヶ月の頑張りが今俺の手元に・・・・・・。

 なんだかそう思うと感慨深いものがあるな。


「いや〜。翔君が来てくれて助かったよ。翔君のおかげでお客さんも増えたし、力仕事も率先してやってくれるし、レジ打ちは完璧だし、愛想もいいし、なによりイケメン!」

「あの、褒めすぎです。塩見さん・・・・・・」


 そんなに褒められるとさすがに照れる。


「まぁまぁ、いいじゃないか!若いうちはたくさん褒められておくものだよ!で、そのお給料で買うんでしょ?」

「はい。そのつもりです」

「そっかそっか!喜んでくれるといいね!」

「そうですね」


 塩見さんは「これからもよろしくね!」と言うと優しく笑った。

 そんな塩見さんにお礼をすると俺はお店を後にした。


☆☆☆

 

 短めです。

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