第214話 新生活編part14 翔の誕生日③
家に到着し、玄関の扉を開けると・・・・・・。
姫香と真美が待っていて、その手にはクラッカーを持っていた。
「翔君!」
「翔!」
「誕生日おめでとうございます!」
「誕生日おめでとう!」
そう言って、手に持っていたクラッカーを俺に向けて放った。
そこでようやく今日、自分が誕生日だということを思い出した。
「そうか。今日は俺の誕生日か・・・・・・」
「そうですよ!今日は翔君の誕生日なのですよ!自分の誕生日くらいちゃんと覚えておいてくださいね!」
俺の手を取り姫香はリビングに向かう。
リビングに入ると、可愛らしく装飾が施されていた。
サイドテーブルの上には一輪のバラの花が飾ってあった。
「凄いな。まさかこの準備をするために歩は俺を家から連れ出したのか?」
「その通り!」
「山崎さんありがとうございました」
「どういたしまして!それにしてもかなり気合が入ってるね~!」
「なんてったって翔の誕生日だからね!去年の分も加えて今年はかなり気合を入れてみた!」
「そこまで頑張ってくれなくてもいいのに」
「ダメです!翔君はもっと自分を大事にするべきです!」
かなり強めにそう言われ姫香が俺のことを本当に大事に思ってくれているのが伝わってきた。
それだけでもう十分だった。
もう十分すぎるほどの誕生日プレゼントをもらった。
「ありがとな。俺のためにこんなことまでしてくれて」
「翔君のためだからするんじゃないですか!」
「そっか」
「まったく……まぁいいです。翔君が自分のことに関心がないのなら、私が翔君にたくさん愛を与え続けますから」
「それは死ぬほど幸せだな」
「死ぬまで幸せを噛み締めてください」
本当に俺は幸せ者だな。
こんなにも俺のことを愛してくれるパートナーと巡り会えたんだから。
俺は姫香の頭を撫でた。
姫香が幸せそうに笑う。
「はいはい。二人の世界に入るのは私たちが帰った後にしてね~」
リビングの入り口で姫香と見つめ合っていると真美に背中を押された。
「せっかく姫香ちゃんが作ってくれた料理が冷めちゃうわよ~」
「それは大問題だな」
「でしょ。分かったらさっさと中に入る!」
真美に背中を押されるがままにリビングに入った俺はそのままソファーに座らされた。
「料理を持ってくるので少し待っていてください」
「あ、私も手伝うよ!」
「ありがとうございます。じゃあ、真美さんはお皿を並べてください」
「了解!」
美少女二人がキッチンに向かった。
俺も手伝いに行こうかと思ったら歩に「本日の主役者はそこで大人しく座っときな!」と言われてしまったので、バラを眺めて待つことにした。
「たしか一輪のバラの花言葉は……」
なんて、バラの花言葉を考えていると姫香達が料理を持ってキッチンから戻って来た。
☆☆☆
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