第213話 新生活編part13 翔の誕生日②

「よっしゃ、そうと決まればどっちがメダルを多く増やせれるか勝負しようぜ!」

「いいけど、俺が勝つぞ?」

「今回は絶対に俺が勝つ!ルールはいつも通りな!それじゃあ、スタートだ!」


 そう言った歩はすぐさまメダル両替機の元へと向かった。

 中学生の頃に何度か歩とこうしてゲームセンターでどっちがメダルを多く増やせるのかの勝負をしていた。

 ルールだが1人持ちメダル百円分からスタート。制限時間1時間で最終的に多くメダルを集めた方が勝ち。

 遊ぶ台はそれぞれ自由。

 メダルの使い方も自由だ。

 メダルゲームは運ゲーという人もいるが実はそうでなかったりする。

 もちろん、運も必要だけどな。


「ま、相手してやるか」


 何を考えているのか分からないが、勝負に負けるつもりはない。

 これまでの歩とのメダル勝負は10戦くらいして、その全て俺が勝っていた。

 メダル両替機で百円玉をメダルに交換して、俺はまず子供用のメダルコーナーに向かった。

 どうやら考えは同じようで歩もそこにいた。


「お、やっと来たか!お先にボーナスゲーム当ててこんだけ増やしたぞ!」


 そう言って歩は俺にメダルの入ったカップを見せつけてきた。 

 その中には三十枚ほどのメダルが入っていた。

 ここのゲームセンターは百円でメダルが十五枚なので約二倍にまで増やしたというわけだ。


「少しは学習したってわけか」

「まぁな!何度も翔に負けてるからな!俺だって学習するさ!」


 そう言った歩はさらに当たりを引きメダルを増やしていた。

 そんな歩から少し離れ、俺もメダルゲームに取り掛かった。

 運が良く、数枚使ったところで俺もボーナスゲームを当てることができた。

 手持ちメダルが歩と同じく三十枚を超えた。

 そのメダルを持って台を何台か変えつつ、さらに手持ちメダルを増やしていった。

 手持ちメダルが百枚を超えたところで子供用のメダルコーナーから離れ、大型メダルゲーム台に移動した。

 狙いはジャックポットが狙えそうな台。

 手頃な台を見つけ俺はそこに座った。

 歩はどうやらスロットで一発を狙うらしい。スロット台の前に座っているのがここから見える。


「さて、ここからは地道な作業だな」


 結局は俺も一発狙いなんだけどな。

 それから数十分。

 ジャックポットを狙いメダルを入れ続けた。


☆☆☆


 そして、一時間後・・・・・・。


「翔、運良すぎかよ・・・・・・」

「まぁな」


 俺は得意げに笑う。

 結果、俺はジャックポットを見事に当て、ドル箱二つ分のメダルが手元に残った。

 対する歩は全てのメダルをスロットで使い切ってしまっていた。


「くそっー!また勝てなかった!一体、いつになったら翔に勝てるんだよ!」

「いつかは勝てるんじゃないか?」

「絶対にいつか勝ってみせるからな!また、勝負しろよ!?」


 悔しそうな顔で俺のことを指差す歩。

 

「分かったよ。で、もうそろそろ帰ってもいいのか?」

「そうだな。そろそろ大丈夫だろ。帰るか」


 俺はメダルを預けにカウンターに向かった。

 そして、メダルを預けると歩と一緒にゲームセンターを後にして家に帰った。


☆☆☆


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 夜空 星龍【@kuga_kakuyomu】です。

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