第205話 新生活編part5 入学式①

「翔君。用意はできましたか?」

「できてるぞ」


 この日のために新調したスーツを着て部屋を出た。

 今日は大学の入学式だった。

 姫香もスーツ姿だ。

 綺麗な純白の髪の毛をポニーテールに結んでいた。

 そのせいもあってか、いつも以上に大人っぽく感じた。


「スーツ姿カッコいいですね」

「姫香も似合ってるな」

「ありがとうございます。なんだか、スーツを着ると一気に大人になった気分いなりますね」

「そうだな。スーツって大人なイメージがあるもんな」

「ですね。なんだか、スーツの大人たちと一緒に働いていたあの頃が懐かしくなりました」

「戻りたいとか思ったりするのか?」

「まさか、思いませんよ。この時間を失いたくはないですからね」

 

 そう言って姫香は俺の腕に自分の腕を絡める。

 

「ほら、行きましょう!入学式に間に合わなくなりますよ」


 姫香と一緒に家を出て、大学へと向かう。

 事前に大学までの道のりは把握済みだった。

 今日は徒歩コースで大学に向かうことにした。


「晴れてよかったですね」

「だな。昨日の予報では雨になってたもんな」


 降水確率50%。

 それが、昨日の段階での天気予報だった。

 どうやら、二分の一で晴れを引いたらしい。


「私か翔君のどっちかが晴れ女、晴れ男なのかもしれませんね」

「ならきっと姫香だな」

「どうしてですか?」

「太陽みたいだから?」

「なんですかそれ。それを言うなら、翔君だって私にとっての太陽ですよ?」

「なら、二人ともそうだな」

「私たち最強ですね!」


 姫香が楽しそうに笑う。

 その笑顔はまさしく太陽のようだった。

 そんな話をしていると大学に到着した。

 

☆☆☆

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