第206話 新生活編part6 入学式②

 入学式はお昼前に終わった。


「なんだか、あっけなく終わりましたね」

「大学の入学式なんてこんなもんだろ」

「これから、どうしましょうか?」

「とりあえず、お腹すいたから、ご飯食べに行かないか?」

「いいですけど、スーツに匂いがつきそうですね」

「じゃあ、一旦帰るか」

「ですね」


 ということで、大学を後にした俺たちは一旦家に帰ることになった。


「姫香はこの辺の料理屋で行きたいところあったりする?」

「この辺ですか・・・・・・この辺はあんまり知らないんですよね」

「そっか。なら、一から探さないとな」

「ですね!きっと、この辺も美味しいお店がたくさんありますよね!」


 家に到着し、着替えを済ませる。

 この辺りは住宅街なので、お店がありそうなところまでは少し遠出をしないといけなかった。


「せっかくなので、車で行きませんか?少し遠出になりそうですし」

「そうだな、そうするか」


 実は俺も姫香も去年の冬に免許を取得済みだった。

 車は、まぁ言わなくても分かるだろ?

 

「私の運転でいいですか?」

「もちろん。姫香の車だろ?」

「私が買いましたけど、二人で使う用なんですからね?」

「うん。ありがとう。お金は働き始めたらちゃんと返すから」

「いいですよそんなの。その代わりに翔君の運転でいろんなところにたくさん連れて行ってくださいな」

「事故らないように気をつけます」

「私より運転上手なくせにっ!やっぱり、翔君が運転してください!」


 そう言って姫香は俺に車の鍵を差し出してきた。

 俺はそれを「分かったよ」と受け取り、姫香と一緒に家を出る。

 駐車場に降りて姫香が買った車の運転席に乗り込む。

 姫香はもちろん助手席に座った。


「とりあえずこの辺のお店を検索しますね」

「うん。姫香の行きたいお店でいいよ」

「分かりました。少し待っててください」

「了解」


☆☆☆

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