大学生編

第201話 新生活編part①

―――18歳春———


☆☆☆


「姫香、これはどこに置く?」

「それは私の部屋に運んでおいてください」

「了解」

 

 俺は持っていた段ボールを姫香の部屋に運んだ。

 高校を卒業して、同じ大学に進学することが決まっていた俺たちは約束通り同棲を開始することになっていた。

 今は新居に運ばれた段ボールの荷解きを姫香と一緒にしているところだった。

 姫香の部屋からリビングに戻ると、姫香がコーヒーを用意してくれていた。


「少し休憩にしましょうか」


 家具や家電は先日、業者の人たちが配置してくれていた。

 去年まで昔の家で使っていた愛着のあるソファーに姫香と横並びに座る。

 新居は俺たちが通う大学から電車で5分。徒歩で20分のところのマンションを借りた。

 俺と姫香が共に自分の部屋を持てるように2LDKのところにした。


「いよいよ、私たちも大学生ですね」

「そうだな。なぁ、本当によかったのか?」 

「もぅ、何度も言わせないでください。私が自分で決めたことなんですから。それに、私もちゃんと行きたい学部を選びましたから」

「それならいいんだけどさ。ありがとうな。俺についてきてくれて」

「最初からそう言ってくれればいいんですよ!」


 姫香はニコッと笑って俺の肩に頭を乗せてきた。

 

「楽しみですね。大学生活。どんな日々になるんでしょうね」

「それは始まってみないと分かんないな」

「それもそうですね。まぁ、私的には大学生活よりも翔君との同棲生活の方が楽しみなんですけどね!」


 俺のことを見上げて姫香がそう言う。

 それは俺も同じ気持ちだった。

 もちろん、大学生活も楽しみではあるが、姫香との同棲生活も楽しみだった。

 まあ、高校三年はほとんど半同棲みたいな生活をしてたんたけどな。


「こうして毎日一緒に翔君と過ごせるなんて幸せすぎます!」

「俺もだよ。あ、でも一つだけ不安があるな」

「なんですかそれは?」

「姫香に殺されないかだな」

「殺したりなんかしませんよ!?」


 姫香が驚愕の表情を浮かべて俺の方を見る。


「いや、言葉通りの意味じゃなくてだな・・・・・・」

「じゃあ、どういう意味なんですか!?」

「そうだな。姫香の可愛さに殺される、かな」

「ああ、そういうことですか。そういうことなら、しっかりと殺してあげますよ?」

 

 人差し指を唇に当て、妖艶に微笑む。

 高校生の時からすでに可愛かった姫香だが、今はそれに加えて大人っぽい色気も兼ね備えつつあった。


☆☆☆



ということで、新章は大学編です。

あんな姫香やこんな姫香が見れるかも・・・・・・。

乞うご期待!笑

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