第191話 クリスマス編part13 2人でのクリスマス①

 クリスマス当日。

 目を覚ますと俺の腕の上にパジャマ姿の天使様が眠っていた。

 昨日、姫香は俺の家に泊まり、一緒にベッドで寝た。その時に、腕枕をしてほしいと言われたのでこの状態というわけだ。

 あまりにもその寝顔が可愛く、美しいので俺は思わず姫香のことを抱きしめてしまった。

 

「ん〜。翔、君?」

「悪い。起こしたか?」

「いえ、おはようございます。翔君」

「おはよ。姫香」


 互いに微笑み合う。

 

「何だかいいですね、こういうの。幸せです」

「そうだな。高校卒業したら一緒に住むか」


 俺が冗談でそんなことを言うと、姫香は目を見開いて驚いていた。

 

「ごめん。聞き流してくれ」

「聞き流すことなんてできません!絶対に一緒に暮らします!翔君と!」


 そう言って今度は姫香は満面の笑みを浮かべて俺のことを抱きしめてきた。 

 

「約束ですからね!言いましたからね!」

「わ、分かったよ」


 姫香の圧に負けて思わず頷いてしまったが、こんなに簡単に決めてよかったのだろうか。

 卒業まであと一年もあるというのに・・・・・・。

 まあ、姫香のこんなに嬉しそうな顔が見れたのならよしとするか。


「最高のクリスマスプレゼントです!朝から幸せな気分です!」

「じゃあ、その気分のまま二度寝するか?」

「たまにはそれもいいかもしれませんね」

「姫香がそんなこと言うなんて珍しいな」

「そのくらい嬉しいということです。二度寝はしませんけどね」

「しないんかい」

「しませんよ。時間がもったいないですから。今日は朝から予定がたくさんなんですよ!」」

「それもそうだな。じゃあ、起きるか」


 今日はクリスマス。

 午前から予定がぎっしりだった。

 現在時刻は午前八時。

 後二時間後には家を出て、姫香が行きたいと言っていたカフェに行く予定になっていた。

 この幸せな時間を終わらせるのはもったいなかったが、互いに起き上がって、洗面台に向かった。


☆☆☆

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