第187話 クリスマス編 part9 四人で過ごすクリスマス・イブ③
十一時頃まで、まったりとした時間を過ごした俺たちは昼食づくりに取り掛かっていた。
本格的なクリスマス料理を作るのは夕飯らしく、お昼は手抜きまではいかないものの、簡単な料理を作ることになった。
「もしかして俺いらない?」
「ですね。お昼はお手伝いはいいかもしれないです。夕ご飯の時は手伝ってほしいですけど」
そう言った姫香はピンク色のエプロンをつけていて、手際良く玉ねぎを微塵切りにしていた。
お昼ご飯はどうやらハンバーグを作るらしい。
「あ、でも、ハンバーグを丸めるお手伝いはしてほしいです」
「了解。じゃあ、その時になったら呼んでくれ、俺はソファーで本を読んどくよ」
「分かりました」
本棚から読みかけの本を一冊取ってソファーに座った。
しばらく本を読んでいると、家のチャイムが鳴った。
本から顔を上げ、壁掛け時計を見ると十一時十分だった。
「来たみたいですね」
「だな。行ってくる」
「はい」
意外と早く来たな
これは・・・・・・。
俺は本をサイドテーブルに置いて玄関に向かう。
そして、扉を開けると、飛び込むように真美が入ってきた。
そして、俺に脇目も振らずに「姫香ちゃん〜!」と叫びながらリビングへと向かって行った。
「騒がしいやつ」
「まぁまぁ、大目に見てやってよ。真美はこの日を楽しみにしてたみたいだから。はい。メリークリスマス」
そう言って、歩はケーキの入った箱を手渡してきた。
その重量と大きさからして・・・・・・。
「また、たくさん買ってきただろ。姫香が一人一個でいいって言ったはずなんだが?」
「小さいことは気にするなよ!仕方ないだろ。真美のやつ『姫香ちゃんに選んでもらうの!』ってたくさん選ぶんだから」
「なんか、想像つくわ」
「だろ」と申し訳なさそうに笑った歩を家の中に入れて、俺たちもリビングに向かった。
☆☆☆
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます