第184話 クリスマス編part6 二人で映画編⑥
率直に言おう。
姫香が主演を務めた映画は最高に面白かったし感動した。
俺の場面については何言うまい。
恥ずかしいからな。
とにかく、最高によかった。その一言に尽きる。
「翔君。どうでしたか?」
「この顔見れば分かるだろ」
「ですね」
俺の顔は今、涙を流し過ぎて目が赤くなっていることだろう。
正直、あまり見られたくはない顔である。
「翔君がそんなに感動してくれたなら、頑張った甲斐があるというものです」
「素敵な映画をありがとう。姫香」
「私一人の力ではありませんけどね、翔君が出てくれなかったらこの映画はなかったかもしれませんし、他にもたくさんのスタッフさんや出演者の皆様が頑張ったからこの映画ができたんですよ」
「そうだな」
「さて、この後はどうしましょうか?」
「とりあえず、家に帰るか。姫香をずっと外にいさせるのも心配だし」
「私としてはこのままデートをしたかったですが、仕方ないですね。そうしましょう」
映画館を後にした俺たちは自分の家に戻った。
「って、なんでいんだよ」
「そりゃあ、感想会をするために決まってんじゃん!」
「そうだぞ!二人だけで楽しもうなんて許さないからな!」
ということらしい。
俺達と映画の感想会をするために『バカップル』は俺の家の前で、俺たちが帰って来るのを待っていたらしい。
「ほら、そんなところで立ち止まってないで早く開けてよ!」
「はぁ、分かったよ」
俺は家の鍵を開けて、二人を招き入れた。
姫香はすでに『バカップル』に確保されていて、困惑気味な笑みを浮かべていた。
☆☆☆
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