第176話 文化祭編part8 文化祭当日⑤
そんな甘酸っぱい空気の俺達だっが、いつまでも屋上にいるのももったいないということで校内に戻った。
「そ、それでどこに行く?」
緊張からかぎこちなくそう聞く俺。
「そ、そうですね。お、お化け屋敷とか行ってみますか?」
それは姫香も同じで、お化けが嫌いなはずなのにお化け屋敷に行きましょうと言ってしまう始末。
「本当にお化け屋敷に行くのか?」
「はい。行きましょう……」
無理しているというより緊張で気が動転しているといった感じの姫香は俺の腕に体を密着させてきた。
その状態のままお化け屋敷をやっている二年生の教室に向かった。
「もう一回聞くけど、本当に入るんだな?」
「だ、大丈夫です!」と言いつつも姫香の手は震えていた。
やめた方がいいんじゃないかと思いつつも姫香はどうしても行くつもりらしく、俺の腕にしがみつきながらお化け屋敷の中へ足を踏み入れた。
手作りのお化け屋敷はそれほど怖くなかった。
雰囲気はそこそこあるものの、ビックリ要素を詰め込んだしょうもないものだった。
それでも姫香には怖かったらしく、ずっと俺の腕にしがみついて離れなかった。
「姫香。もうお化け屋敷は終わったよ」
「うぅ・・・・・・」
お化け屋敷から出て数分が経つというのに姫香は未だに怖がっていた。
だから、やめとけって言ったのに。
この調子では他のお店に行けそうにないので、俺たちは教室に戻ることにした。
☆☆☆
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