第170話 文化祭編part2 久しぶりのデート②
サンドイッチを食べ終えた俺たちはそのままベンチでまったりとしていた。
「もう文化祭がすぐそこまで迫っているのですね」
「そうだな。そういえば、ステージでやる出し物は決まったんだろうか」
「どうなんでしょうね。あれから何も聞いてませんからね」
「あの二人のことだから一応案は出してるんだろうけどな」
「まぁ、そうでしょうね」
文化祭までもうそんなに日はない。
おそらく、この休み明けには本格的に文化祭の準備がスタートするだろう。
教室でやる出し物はおそらくカフェになるだろう。
あれから一度も練習に来ていないが、あの二人は大丈夫なんだろうか。
「何をするにしても、楽しみですね。文化祭」
「そうだな。どんな文化祭になるんだろうな」
「きっと楽しいものになりますよ」
「それは間違いないな」
お互いに微笑み合うと、ベンチから立ち上がって公園を後にした。
公園を後にした俺たちは再び街をブラブラと歩くことにした。
途中、姫香がおそろいのマグカップを買いたいといたので、雑貨屋に向かった。
「見てください!これ可愛くないですか!?」
雑貨屋に入りマグカップのコーナーに向かうと姫香はマグカップを見てはしゃいでいた。
「これも可愛いです!あ、これも!」
次々といろんなマグカップを手に取っては「可愛い」と連呼していた。
何種類ものマグカップを見てようやくお気に入りを見つけたのか、色違いのマグカップを二つ手に持っていた。
「こっちの水色が翔君のです!私はこのピンクです!」
「可愛いな」
「ですよね!このくまちゃんがお気に入りです!」
そのマグカップは俺の家に置いておくらしい。
姫香はその二つのマグカップを手にレジへと向かった。
「はい、どうぞ。翔君!体育祭頑張ったご褒美です!」
「そういえば、そんな約束してたな。これが、そのご褒美なのか?」
「これじゃ、不満ですか?」
「いや、嬉しいよ。ありがとう」
俺は姫香からマグカップを大事に受け取った。
マグカップを買った俺たちは雑貨屋を後にしたその足で俺の家に向かった。
家の前に到着すると、突然「翔君」と姫香に袖を引っ張られた。
「これが本当のご褒美です……」
そう言って姫香は俺の唇にキスをしてきた。
「体育祭。お疲れさまでした。いろいろとわがまま言ってごめんなさい」
「いや、いいよ。姫香のわがままのおかげで俺もなんだかんだ楽しかったし」
「それなら、よかったです」
「なぁ、もう一回キスしてもいいか?」
「家の中でお願いします……」
自分がキスをした場所を改めて確認した姫香は顔を真っ赤にしてそう言った。
そんな姫香と一緒に家の中へと入って行った。
☆☆☆
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