第169話 文化祭編part1 久しぶりのデート①
体育祭の次の日の休日。
俺は久しぶりに姫香とデートをしていた。
「なんだかこうして街でデートするは久しぶりですね」
「そうだな」
「最近は翔君の家にばかりお邪魔してましたからね」
「それで、今日はどこに行くんですか?お嬢様?」
「あ、それも言われるの久しぶりな気がします!」
ニコッと笑って俺のことを見上げた姫香は腕に体を密着中だった。
「気に入ってるのか?」
「意外と気に入ってたり……そういうノリは楽しいじゃないですか!」
「まぁ姫香が気に入ってるならいいんだけどな。で、どこに行くんだ?」
「今日の目的地は決まってません」
「そうなんだ」
「はい。ブラブラと歩くって感じですかね」
「了解」
ということなので、特に目的地もなく俺たちは街をブラブラと歩いた。
姫香は俺の足を気遣ってくれているのか、俺に歩幅を合わせてくれていた。
「そういえば、足は大丈夫ですか?」
「ああ、うん。もう普通に歩けるよ。だから、俺に気を遣わなくても大丈夫だぞ?」
「気づいてましたか。ですが、いいのです。特に目的もありませんし、ゆっくりと行きましょう」
「そうだな」
いつもより遅い歩きで久しぶりの姫香との外デートを楽しんだ。
しばらく歩いて公園に向かうと、ベンチで昼食をとることにした。
「今日はサンドイッチを作ってきました!」
そう言って、いろんな種類のサンドイッチが入ったランチボックスを膝の上に置いた。
「美味しそうだな」
「どれから食べますか?」
「じゃあ、たまごサンドで」
「分かりました」
姫香はたまごサンドを手に取ると、そのまま俺の口へと運んでくる。
俺はそれを何の躊躇もなく食べると「美味しい」と言った。
「よかったです!たくさんあるのでどんどん食べてくださいね」
嬉しそうに微笑むと姫香もサンドイッチをその小さな口で可愛らしく一口齧った。
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