番外編② さつまいもの誘惑 9/3(金)

 鼻孔をくすぐる美味しいそうな匂いにお腹が鳴りそうになった。


「この匂いはもしかして……」


 どうやらその匂いに姫香も気がついたようで、鼻を犬のように動かしていた。


「焼き芋だな」

「ですよね!もしかして近くにいるんですかね!」

「かもな。焼き芋好きなの?」

「大好きです!探してもいいですか?」

「もちろんいいよ」


 焼き芋販売車は意外とすぐに見つけることができた。


「翔君!いましたよ!」


 姫香は車を見つけるやいなや駆け足で向かって行った。

 その様子から姫香が本当に焼き芋が好きなのが伺える。

 お店とかでも焼き芋を見つけると秋だなって思う。

 そういえば、焼き芋販売車と出くわすのは初めてかもしれない。


「ほら、翔君も早く来てください!」


 車の前に到着した姫香が手招きをしていた。

 車に近づくにつれて焼き芋のいい匂いが強くなった。


「翔君も食べますか?」

「そうだな」

「すみません。焼き芋三つください!」


 二個も食べるんだと思いながら、俺は姫香から焼き芋を受け取った。

 そして、俺たちは焼き芋を手に近くの公園に移動した。


「早速食べましょう!」


 ベンチに座った姫香は焼き芋の皮を剥いていった。

 焼き芋は紫色から黄金色へと変化していき、ほくほくと湯気が上がっている。

 姫香は焼き芋をふぅふぅとして、パクっと食べた。


「ん~。美味しい~!やっぱりこの時期に食べる焼き芋は最高です!」

「そうだな。焼き芋を食べると秋になったんだなってなるよな」

「そうですね。というか、もう秋ですか。早いですね~」

「姫香と再会して三か月が経つんだな」

「そうなりますね」


 本当にあっという間の三か月だった。

 なんだか、年々一年が早くなっているような気がする。

 ついこの間、二年生になったばかりなのに、もうあと少しで三年生になると思うと驚きだ。

 

「今年も後三か月ですね」

「な。マジで早いな」


 俺は焼き芋を一口食べた。

 甘い。

 甘味たっぷりの焼き芋だ。

 

「でも、まだまだこの後もイベントごとが盛りだくさんですよ。これからもたくさん楽しみましょうね!9月もよろしくお願いしますね!」


 そう言って、姫香も焼き芋をパクり。

 幸せそうな顔。

 この幸せそうな顔をいつまで見ることができるんだろうな。

 姫香の幸せそうな顔を見て、時間がゆっくり進めばいいのになと思うのであった。


☆☆☆


実は焼き芋を販売している車に一度もあったことがない作者です(笑) 

でも焼き芋は大好きです!

秋になったら必ず食べてます。

好きな芋の種類とかあったら教えてください!(笑)


まだまだ、秋になったらすること、秋といえば、募集してます!

コメントお待ちしてます!

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