『⑥四人で海』帰りの電車

 海で疲れ果てるまで遊んだ俺たちは電車に乗っていた。

 四人掛けの席に俺と姫香、真美と歩で横並びに座っている。

 よほど遊び疲れたのか対面に座っている『バカップル』は頭を寄せ合って眠っていた。


「なんだか見てるだけで癒されますね」

「ほんとに仲いいよな」

「ですね~。私たちも負けないように頑張りましょう」


 そう言って姫香は俺の手をそっと握ってきた。

 

「もうすぐ夏休みも終わりですね」

「そうだな。なんかあっという間だったな」

「ほんとですね~。いろんなことがありましたね」

「楽しかったな」

「はい。楽しかったです」


 この夏休みは姫香とたくさんの思い出ができた。

 そして、たくさんの約束を交わした。 

 その一個一個を大切に忘れないように俺は胸の中にしっかりととどめておこうと思った。


「夏休みが終わったら待ってるのは体育祭と文化祭ですね」

「その前にテストがあるけどな」

「そういえばそうですね」

「俺たちはまぁ大丈夫だろうけど、またこの呑気に寝てる二人のために勉強会を開いてやらないとな」


 というか絶対に泣きついてくる。

 俺にはそれが目に見えている。

 毎回のことだからな。


「この後の学校生活も楽しい日々が送れそうです!」

「まだまだイベントごとがたくさんあるもんな。来年の二月には修学旅行もあるし」

「ですね!この四人で行けて嬉しいです!」

「そうだな」

「ふぁ~」


 姫香が大きなあくびをした。


「眠たくなったか?」

「はい。少しだけ」

「無理せずに寝ていいぞ。俺が起きとくから」

「ほんとですか。なら、少しだけ寝かせてもらってもいいですか?」

「あぁ、いいよ」

「じゃあ、遠慮なく」

 

 そう言って姫香は俺の肩に頭を預けてきた。


「寝かせてもらいますね」

「うん。おやすみ」

 

 姫香もよほど遊び疲れていたのか目をつむった瞬間に可愛い寝息をかいて眠ってしまった。


「なんだかんだ一番はしゃいでたもんな」


 俺は姫香の頬をそっと撫でた。

 電車は俺たちを乗せて目的地へと向かって走っていく。

 オレンジ色の夕日が眩しく光輝いていた。


☆☆☆

 海編終了!

 そして、夏休み編(第二章)もここでいったん終了です!

 次回は体育祭・文化祭編(第三章)になります!

 更新はおそらく十月になるかと思いますが気長にお待ちください。

 それまでは前回みたいに番外編をいくつか投稿していく予定です!

 良ければ、コメントで回答してやってください!

 たくさんのコメントをお待ちしてます。

 ここまでご愛読ありがとうございました。

 引き続きよろしくお願いします!


 他の小説も書いているのでそちらも読んでいただけると嬉しいです!

『行きつけのカフェの看板娘の天使様はお困りです』

『青春譚(鳳条優夜の青春)』

『俺のことが大好きな学年一の美少女と元カノたちの戦い』

『天使なギャルは飾らない』



  

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