『②4人でプール』

 2人が合流して、俺たちは電車に乗った。


「それにしても混んでるね~」

「まぁ、ほかの学校も夏休みだからなー」


 電車内は学生らしき人たちでいっぱいだった。

 幸いにも俺たちが乗った時にちょうど降りた人がいて、席が2つ空いていた。そこに女性陣を座らせて、男性陣はその前に立ってつり革を掴んでいた。


「この調子だとプールはもっと混んでるかもね」

「今日は特に暑いですもんね」

「だよね~。なんでこんなに暑いんだろうね」

「暑いのは苦手です」

「私も~。汗でジトジトするから苦手~」


 そんな話をしていると、目的の駅に到着して、俺たちは電車を降りた。


「ところで、プールまでの道のりは誰か知ってるのか?」

「もちろん!私に任せて~」


 真美がスカートのポケットからスマホを取り出して地図アプリを開いた。

 今日の真美は白色のスカートにピンク色のオフショルダーと、いかにも夏らしい服装だった。


「道案内よろしくお願いします。真美さん」

「さ、私についてきてね~」


 真美の先導のもと、俺たちはプールに向かった。

 数歩、歩くだけでも汗がダラダラと湧き上がってくる。

 そんな暑さの中、歩くこと数分。屋内プールに到着した。


「到着~!さぁ、泳ぐぞ~!」

「待ってください。真美さん」

  

 真美はプールに着くなり走って入り口に向かって行った。

 その後を姫香が小走りで追って行った。

 

「真美のやつ元気だな」

「楽しみにしてたみたいだからな。四人でプールに行くの」

「そうなのか」

「翔も楽しみなんだろ?なにしろ、氷室さんの水着が見れるんだからな」

「まぁ、そうだな。でも、正直言うと誰にも見せたくない気持の方がでかいかな」


 きっと、姫香の水着姿は男どもの見世物になるだろうし。


「その気持ちは分らんではない。俺も真美の水着姿を翔以外の男に見せたくはないからな」

「真美もなんだかんだ言って美人だからな」

「そうなんだよな~。でも、本人がめっちゃ楽しみにしてるからな。そんなこと言えないだろ?」

「そうだな。俺たちは我慢するしかないのかもな」

「数時間だけ我慢しよう。そして、思い切り楽しもう」

「そうだな。せっかく、プールに来たんだ。楽しむか」

 

 俺と歩も二人の後に続いて入口へと向かった。


「じゃあ、また後でね~」

「おう!また、後でな」

「翔君。また後で」

「あぁ、また後でな」


 女性陣を見送ると俺たちも更衣室に向かった。 


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