『②歩のサッカーの試合』

 コンビニでアイスを買った俺たちは例の公園で食べることになった。


「ベンチ空いてるかな~」

「どうでしょうね。空いてるといですね」


 アイスが溶けないうちに、俺たちは急いでベンチのある広場へと向かった。

 幸いにもベンチは空いていた。しかもちょうどよく2つ。

 

「よかった~。空いてた~!」

「ですね」


 俺と姫香。

 歩と真美で、その空いていたベンチに座った。


「みんなはどんなアイスにしたの?」

「私はこれです」


 姫香は6個入りの赤い箱に入ったアイスを買っていった。


「俺はこれだ!」


 歩はサイダー味のあたり付きアイスを買っていた。


「俺はこれ」

 

 俺はシンプルなソフトクリームを買った。


「真美さんは何を?」

「私はこれ~」


 真美はカップアイスのイチゴ味を買っていた。

 真美が秘密にしようと言ったので、各々が何のアイスを買ったのかは今知った。

 

「みんな被ってないんだね~」

「まぁ、たくさん種類があるから、当然だろ」

「1人くらい被ると思ったのにな~」

「そんなことはいいから早く食べようぜ!暑さでアイスが溶ける」

「そうだね~。じゃあ、歩の勝利を祝して乾杯~」

「「「か、乾杯~」」」


 真美の乾杯に戸惑いながらも3人は合わせた。


「ん~、美味しいです」

「そのアイス美味しいよな」

「翔君も1つ食べますか?」


 そう言って、一粒のアイスにプラスチックのつまようじを刺して、俺の口元に差し出した。

 

「食べてもいいのか?」

「どうぞ」

「じゃあ……」


 俺はそのアイスをぱくっと食べた。

 

「うん。やっぱり美味しいな」

「翔君のアイスも一口ください」

「いいよ」

「では……」

  

 姫香は俺の手に持っているソフトクリームに顔を近づけてパクっと無邪気に食べた。

 そのせいで姫香の鼻にソフトクリームが付いた。


「ん~美味しいです!」

「姫香、ついてるぞ」


 そう言って、俺は自分の鼻を指差した。


「え、本当ですか!?」

「あー!姫香ちゃん可愛い~!」

「うぅ……恥ずかしい。翔君、取ってください」


 俺はポケットからハンカチを取り出して、姫香の鼻についているソフトクリームを拭ってあげた。


「ありがとうございます」

「どういたしまして」


 アイスを食べ終わった俺たちはしばらくベンチで休憩していた。


「ねー、せっかくだから4人で写真撮らない?」

「撮りましょう」

「じゃあ、2人ともこっちに来て〜」

 

 真美がスマホを内カメラにして構えた。 

 スマホの画面に4人が写るように位置どりをした。

 

「これから、いろんな写真をたくさん取るだろうけど、記念すべき一枚目ってことで、はいチーズ!」


 カシャっという音がなり、笑顔の4人がスマホの画面に写し出された。

 4人とも最高の笑顔で夏休みの一ページ目を飾るには最高の写真になった。

 

☆☆☆

次回更新7/27(火)9:00〜

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る