『①歩のサッカーの試合』
8月5日(木) 13:00〜
この日、灼熱の炎天下の中、歩のサッカーの試合が行われることとなった。
俺と姫香と真美の3人でその試合の応援にやってきていた。
今日は学校で行われるらしく、俺たちは校庭の隅、観覧席が設けられている場所から観戦していた。
15分前にキックオフの笛が鳴り、今、うちのサッカー部のエースストライカーである歩が点を決めたところだった。
「やったー!歩が点を決めたよ!」
「凄いですね」
真美と姫香は嬉しさのあまりハイタッチを交わしていた。
「凄いですね。翔君!」
「そうだな」
歩が点を決めて俺も嬉しかった。
歩のプレーを見てるといつも無性に体がうずうずとする。
俺もサッカーを続けていたら、歩と一緒にプレーしてたのかもな。
その後は歩が2点を決め、ハットトリックを達成し、試合は終了した。
試合を終えた歩が近づいてきた。
「おつかれ〜!!今日もかっこよかった!」
「ありがと。真美!」
「2人はどうだった?」
「かっこよかったですよ。山崎さん」
「さすが、好きなサッカーだけは一流だな」
「サッカーだけは、は余計だと思うんだが?」
「事実だろ?」
「まぁ、そうなんだけどさ」
歩は唇を尖らせて不満な顔をした。
「それにしても、大活躍だったな」
「だろ!3人が応援に来てくれたおかげだな!」
「おつかれさん」
「サンキュー!じゃあ、俺はミーティングがあるから戻るわ」
「うん!また、後でね〜!」
歩を見送った後、俺たちは図書室に移動した。
夏休み中の平日の図書室はほとんどの日が開館している。
俺たちは席に座って、歩が来るのを待つことにした。
「歩が来たら、みんなでコンビニに寄って帰ろうね〜」
「なぜ、コンビニに?」
「もちろん、青春をするためだよー!」
「コンビニに行くことがなんで青春になるんだよ」
「それは行ってからのお楽しみ〜」
それから、歩が来るまで各々好きなことをして過ごしていた。
俺と姫香は読書。
真美はスマホをいじっていた。
「お待たせー」
30分くらいして、歩が図書室にやってきた。
「歩も来たことだし、行こっか!」
「そうですね」
俺たちは学校を後にして、コンビニに向かった。
コンビニは例の公園の近くのところにあるところに行くことなった。
「こうやって、4人で歩くのって、いいね~」
「そうですね」
「青春って感じだね~!」
「ですね!」
前を歩く2人は楽しそうだ。
隣を歩く歩も頭の後ろで手を組んで上機嫌だ。
「お前も楽しそうだな」
「まぁな、試合にも勝てたし、こうやって翔たちと青春ぽいことできてるし、楽しくないわけがないだろ」
「本当に大活躍だったな。歩のプレーを見てると、体がうずうずするよ」
「お!翔も一緒にプレーするか?」
「いや、今更部活に入ろうとは思わないけどな、ボールは蹴りたいな」
「じゃあ、今度一緒にしようぜ!」
「そうだな。機会があったらな」
「約束だからな!」
そうこうしているうちにコンビニに到着した。
「さ、アイスを選ぶわよ~!」
「おー!真美のおごりなー!」
「今日くらいはおごってあげましょう!歩大活躍だったもんね!」
「マジか!?サンキュー!」
「ほら、2人も行くよー!」
真美たちの後に続いて俺たちもコンビニに入った。
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