番外編⑥ 7/25(日)『姫香とパスタ専門店』

 その日は、姫香の仕事がいつもより早く終わるということで、夕飯を外で食べることになっていた。

 駅で待ち合わせをして、パスタ専門店へ向かうことになっていた。

 改札から姫香が出てきて手を振っていた。


「お待たせしました」

「お仕事お疲れさん」

「お腹ぺこぺこです」

「じゃあ、早速行くか」

「はい!」


 姫香の手を握って、パスタ専門店に向かって歩き出した。

 例によって、そのパスタ専門店は姫香情報だった。今回は仕事先の人から聞いたらしい。


「で、今回のお店のオススメは?」

「パスタです!」

「何パスタ?」

「カルボナーラが最高に美味しいって言ってました!」

「へぇー。相変わらず、いろんな情報を仕入れてくるな」

「聞かなくても勝手に入ってきますからね」

「そうなんだ」


 姫香の道案内の元、パスタ専門店に到着した。

 

「すぐに入れそうだな」

「ですね」


 てっきり、今回も並ぶのかと思ったら、お店の前に人はいなかったので、スムーズに店内に入ることができた。

 店員さんに席に案内され、手渡されたメニュー表を見た。


「当店1番人気って書いてあるな」

「みたいですね。カルボナーラは確定ですね。後1種類は何にしますか?」

「どうしよっか」


 俺はメニュー表をパラパラとめくっていった。


「せっかくだし、パスタを食べたいよな」

「ですね〜」

「じゃあ、ペペロンチーノでもいい?」

「もちろんです。いつも私が好きなもの選ばせてもらってるので、たまには翔君が食べたいのを選んでくださいな」

「じゃあ、それで」


 メニューが決まったので、店員さんを呼んで注文した。


「そうだ、姫香。お盆なんだけどさ、一緒に俺の実家に行かない?」

「え、行っていいのですか?」

「うん。その、親にも紹介したいしな。もう、知ってるだろうけど」

「ぜひ!行かせてください!翔君のお母さんに久しぶりにお会いしたいです」

「よかった」

「あの、よかったら、私の実家にも来ませんか?」

「うん。いいよ」

「ありがとうございます!お母さんに伝えときますね」


 姫香のお母さんか。

 懐かしいな。あの頃、何回か会ったことあるけど、俺のこと覚えているだろうか。

 パスタがテーブルに運ばれてきた。

 濃厚なクリームのカルボナーラとニンニクのいい匂いのペペロンチーノ。

 どっちも美味しそうだった。

 もちろん、半分ずつ分け合って食べるつもりだ。

 2人でいただきますをして、まずはそれぞれが頼んだパスタを一口食べた。


「美味しい」

「ですね。クリームが濃厚です」

「見たまんまんだな」

「ペペロンチーノ一口くださいな」


 そう言って、姫香は口を開けて待っている。

 最近では、あ〜んをすることに慣れてきた。

 俺はフォークにペペロンチーノをくるくると巻きつけると、姫香の口に運んだ。


「ニンニクが効いてて美味しいですね」

「カルボナーラちょうだい」

「もちろんです」


 姫香も同様にフォークにカルボナーラを巻きつけて、俺の口の前に差し出した。

 俺はそれをパクッと食べた。


「うん。美味しい。さすが、1番人気」

「これは、他のパスタも食べたくなりますね」

「結構種類があったよな」

「何回か通わないとですね」

「だな」


 美味しいパスタはあっという間になくなった。

 お会計を済ませて、お店を出た。


「そういえば、明日学校に行けば、夏休みですね」

「そうだな」

「楽しみですね。夏休み!」


 姫香はワクワクといった笑顔を浮かべ俺のことを見た。

 

「楽しみだな。夏休み」

「たくさん思い出作りましょうね!」

「そのつもりだよ」


 俺は姫香の手を握った。

 俺たちはこれから来るであろう楽しい未来に向かって歩き始めた。


☆☆☆

今回はパスタ!笑

作者はコンビニに売ってある

コーンバーターパスタが大好きです!笑

皆さんのオススメパスタ教えてください✨

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