番外編③ 7/13(火)『姫香と寝落ち電話』

 22時。

 寝ようとしてたところで、姫香から電話がかかってきた。

 こんな時間に珍しいな、と思いながら俺は電話に出る。


「もしもし」

『もしもし』

「どうした?」

『ごめんなさい。こんな時間に』

「いや、大丈夫だよ。それで、どうした?」

『実はですね・・・・・・寝れなくなってしまいまして・・・・・・』

「え?」

『あれを・・・・・・見てしまったんです』

「あれって?」

『お昼休みに真美さんと山崎さんが盛り上がってた、あの番組です』

「あー。あれか」


 あれ?

 でも、その話をしてた時、姫香・・・・・・。


「怖いから見ないって言ってなかった?」

『そのつもりだったんですけど、興味本位で・・・・・・』

「見てしまったわけね」

『はい。それで、寝れなくなってしまいました・・・・・・』

「それは、まぁ、ドンマイ」

『うぅ・・・・・・。あんなに怖いなら見なきゃよかったです・・・・・・』


 俺も一応その番組『夏の怪談特集』を見ていたけど、そこまで怖くはなかったな。

 ありきたりな話ばっかりだったし。まぁ、怖さ耐性がない人が見ると、眠れなくなるのかもな。姫香みたいに。


『なので、あの・・・・・・。私が寝るまで電話、繋いでてもいいですか?』

「もちろん。いいよ。先に俺が寝るかもだけど、それでもいい?」

『はい。翔君も眠くなったなら、寝てくれて大丈夫です』


 とは言ったものの、先に寝るつもりなんてなかった。

 お昼休憩の時の姫香の怖がりようを知っているからな。きっと、今も1人でいて心細いはずだ。

 その心細さを少しでも取り払えるのように、俺は出来るだけ明るい声と楽しい話題で姫香と話をした。

 徐々に怖さがなくなっていったのか、電話越しの姫香から笑い声が聞こえるようになった。

 それからは、姫香の方からいろいろと話題を振ってきて、楽しく話をした。

 明日、6時に公園に行くという約束をしたところで、すぅすぅ、という可愛らしい寝息が、電話越しに聞こえてきた。

 どうやら、寝落ちしたらしい。

 何度か呼びかけてみたが反応はなかった。


「ゆっくりとおやすみ。好きだよ姫香」


 そう言って電話を切ると、タイマーを5時にセットして、俺も眠りについた。

 時刻は23時だった。


☆☆☆

前回は沢山の回答ありがとうございました!!

クリームパン

明太子パン

コッペパン

こしあんぱん

ミルクフランス

クロワッサン

粒あんぱん

皆さんの推しパンが聞けて嬉しかったです!!


もうしばらく番外編は続きます。

お楽しみに〜✨

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