6月30日(水) 12:00〜
今日の昼休憩は屋上で4人でご飯を食べていた。
しかし『バッカプルのボケ」はなぜか遠慮がちだった
「なぁ、真美がそんな調子だとこっちが調子狂うからいつも通りにしてくれていいぞ」
「いや、でも・・・・・・」
「真美さん。もう、怒ってないですからいつも通りに戻ってくださいな」
「本当に怒ってない?」
「はい。というより、最初からそんなに怒ってませんって」
「本当に?」
真美は何度も氷室さんに確認していた。
「はい。だからいつもの元気な真美さんに戻ってください。私は元気な真美さんのことが好きですよ?」
「そ、そっか〜」
真美はホッと息を吐いた。
「学校の外でもずっとあんな感じだったのか?」
「まぁな。相当反省してたな」
「それは、なんだか悪いことをしたな」
元気が取り柄の真美がこんなにへこんでいるのは久しぶりに見た。
昨日も遠慮してなのか、俺たちに全然声をかけてこなかったしな。
「氷室さんもこう言ってるし、いつもの真美に戻れよ」
「うん、分かった。ごめんね姫香ちゃん。それからありがとう」
「真美さんが元気になってくれないと、夏休みを守り会えてくれる人がいなくなるでしょう?私は意外と楽しみにしてるんですからね。お二人と一緒に夏休みに遊ぶの」
「姫香ちゃん〜!」
真美は氷室さんの名前を呼びながら抱きついた。
その勢いで氷室さんは後ろに倒れた。
「ちょっと、真美さん。苦しいです」
「もう少しこうさせて〜!」
「もぅ〜。仕方ないですね〜」
氷室さんの目が合って、氷室さんは苦笑いを浮かべていた。しかし、その顔はどことなく嬉しそうだった。
「これで、真美もいつもの真美に戻るわ」
「ということは、また騒がしくなるな」
「そうだな。でも、そうでなくちゃ。夏はまだ始まったばかりなんだぜ」
歩は氷室さんたちのもとに向かい、真美のことを氷室さんから引き剥がした。
真美は必死に抵抗していたが、歩の力には敵うわけもなく簡単に引き剥がされていた。
俺も3人のもとに向かい。氷室さんに手を差し出した。
「大丈夫か?」
「はい、ありがとうございます」
「頭打ってないか?」
「大丈夫です。真美さんが手を下に置いてくれましたから」
「そっか」
氷室さんは俺の手を取り立ち上がった。
歩の言った通りまだ夏は始まったばかりだ。きっと今年の夏はこの4人でいろんな思い出を作るだろう。
お昼休みの終わりを知らせるチャイムが鳴り、4人で一緒に教室に戻った。
☆☆☆
次回更新14時!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます