6月27日(日) 12:00〜『バカップルに報告』

 氷室さんから告白を受けた翌日。

 俺は『バカップル』と会っていた。

 昨日のうちに気持ちの整理はついた。というか、とっくに決まっていた。

 なんで、あの時追いかけなかったのだろうか。

 俺も氷室さんのことが好きだ……。

 ほんとは今すぐにでも氷室さんに返事をしたかった。しかし、氷室さんは今日は仕事で会うことは叶いそうになかった。

 電話で返事をするという選択肢もあったが、俺は氷室さんの顔を見て告白の返事をしたかった。

 だから、氷室さんに返事を伝えるのは明日になりそうだった。

 そして、俺は昨日のことを2人に話していた。


「そっか~。姫香ちゃん。とうとう言ったんだね」


 どうやら真美は知っていたらしい。

 俺が氷室さんに告白されたと言っても、さほど驚いてはいなかった。

 対する歩は知らなかったらしく、目を丸くして何度も「本当なのか?」と聞いてきた。


「で、どうするの?翔~」


 俺がどんな答えを言うのか分かっているいるのだろう。

 真美はニヤニヤと笑いながらそう聞いてきた。

 

「まさか、断るなんて言わないわよね?」

「明日、伝えるつもり……好きだって」 


 ちゃんと伝えようと思う。

 自分のこの気持ちを。


「そっか。おめでとう!」

「そうか~。翔にもとうとう彼女が……しかもその相手が『深紅の瞳を持つ天使』の氷室さんか~。おめでとう!」


 2人は祝福してくれた。

 返事を伝える前から祝福されて変な気持ちだったが、その祝福は有難くいただいておくことにした。

 2人からの祝福は俺の背中を押してくれそうな気がした。勇気をくれるような気がした。


「まだ、気が早い気がするけど、二人ともありがとう。なんだが勇気をもらったよ」

「これで夏休みがますます楽しいものになるわね!」

「確かにな!夏休み前に2人が付き合うようになってくれてよかったかもな!」

「ね!これで思う存分2人をいじれるし!」

「だな!」

「いや、普通にやめろよ」

「やだよ~!これまでさんざん私たちのことを『バカップル』って言ってきたんだから、覚悟しときなさいよ!」

「いや、『バカップル』は事実だろ。お前ら頭悪いし」

「まぁ、それは否定しないけど。と・に・か・く!覚悟しときなさい!」


 真美は悪戯な笑みを浮かべてそう言った。

 覚悟うんぬんは置いといて、夏休みが楽しくなるというのには同感だった。

 明日、告白の返事を氷室さんにする。おそらく、俺たちは恋人同士になるだろう。

 それで何が変わるというのは分からなかったが、今まで一番楽しい夏になりそうな予感がしていた。

 それから、二人に昨日のことを根ほり葉ほり聞かれ15時過ぎに家に帰った。


☆☆☆

2話同時更新!

14時分はなしです。

次回更新は18時!

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