6月25日(金) 20:00〜

 今日の電話は氷室さんからだった。


『もしもし』

「もしもし。お仕事お疲れさん」

『ありがとうございます』

「最近も忙しそうだな」

『そうですね。でも、仕方ないです。そんなことよりも、明日の話をしませんか?』


 どうやら氷室さんが電話をかけてきたのは明日のデートの予定を一緒に考えるためらしい。


「そうだな。どこに行こうか?」

『王野君は行きたいところないですか?』

「行きたいとか。本屋とか?」


 最近行ってないし、久しぶりに行きたいな。

 

『本屋さん・・・・・・ですか』

「いや、まぁ、別に明日行かなくてもいいんだけど、最近行ってないから行きたいなと思ってな」

『じゃあ、明日行きましょう・・・・・・少し恥ずかしいですけど』

「ん?」

『いえ、なんでも・・・・・・他に行きたいとこはないですか?』

「他かー。氷室さんは?行きたいとこないの?」

『たくさんありますよ!けど、いつも私の行きたいところに行ってばっかりなので』

「気にしなくていいのに。俺は氷室さんと一緒にいれたら、それで幸せだし」

『えっ・・・・・・そ、そうなんですか?』

「うん。だから、明日も氷室さんが行きたいとこに行こう」

『じゃあ、少しだけ遠出をしませんか?』

「分かった」

『やった!ありがとうございます』


 電話越しに氷室さんの嬉しそうな聞こえてきた。

 これからもっと、氷室さんが笑顔になってくれることをしよう。

 後、1年半しか会えないかもしれないのだから。この、好き、という気持ちに嘘をつかないように。1日1日を大切に、氷室さんとの思い出をたくさん作れるように。


『電車に乗って行こうと思ってるので、いつもより早い時間になりそうですけど、大丈夫ですか?』

「もちろん。てか、起きれるの知ってるだろ」

『ですね。愚問でしたね。じゃあ、明日は9時に駅に集合ということで。お願いします』

「了解」

『今日はこのへんで。おやすみなさい』

「おやすみ。また明日」


 氷室さんとの電話を終えると、アラームを6時にセットして、俺はベッドに横になった。

 

☆☆☆

次回更新18時!


残り4日・・・・・・。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る